第2話 閻魔の裁量
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いぜ、英雄!お前がそんな決意を持って此処まで付いて来てるんだ。父親である俺も少しはいいトコみせねぇと嘘だよなぁ!」
と、カッコよく藤村組本部の門を潜り敷地内に入るが、迎えの1人もいなかった。
「・・・・・・誰もいませんね?」
「今日、此処に来いって言った上でこの対応はつまり、勝手に自分の下に来いって事だろ」
「ですが案内も無しでは何所に行けばいいか・・・」
当然戸惑う英雄ですが、帝は4人に背を向けたまま言う。
「安心しろ。基本構造さえ変化してなきゃ、俺が知ってる」
「父上・・・?」
「いいからついて来い」
帝はまるで全て知っているかの様に、玄関に勝手に入ってから突き進んでいく。
勿論残りの4人も、それについて行く。
そうしてある部屋に着いた処で襖を遠慮なく開くと、そこには藤村雷画を含む数人がいた、
「ふぅむ?なんだ、来たのか」
開口一番にそんな事を言う。
「そちらの女性が近いうちに呼び出すから、予定を開けておけって聞いたんですがね?」
帝の視線の先には座禅を組んだままのスカサハがいた。
「ほう?そんな事言ったのか?」
「如何でもいい事と判断すれば忘れるのが私の悪い癖でな、すまぬが覚えておらぬ」
「っ!」
それに直接伝言を受け取ったヒュームが反応するが、すかさずクラウディオとミス・マープルが目で制止させる。
「ふむ。矢張り儂らのスケジュールのミスでは無く、お前達が単に忘れて間違えただけじゃないのか?我ら藤村組に謝罪を入れるのを忘れていた時の様に」
「っ!」
「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」
最初は神妙な顔をしていたくせに、今は全力で揶揄う気満々に人の悪そうな笑みを浮かべている藤村雷画。
その嫌味を英雄は反応しかけるも、なんとか堪える。他の4人は涼風の様に受け流した。
「まあ、招待していない招かれざる客であろうとも、何度も来られても迷惑じゃし、話くらい聞いても良いぞ?」
当然ではあるが、何所までも上から目線の態度を崩さない雷画。
それに対して下手に出続ける帝だが、漸く今夜此処に訪れた主目的へ移行させることが出来た。
「ではお言葉に甘えまして――――以前起こした我ら九鬼財閥の所業、如何か赦しては頂けないでしょうか」
「赦して欲しい・・・・・・か。今でこそ儂らは警察とも非公式的に連携を取る様になったが、極道の矜持は今も持ち続けておる。そんな儂ら極道者に許しを請うと言う事は、相応のけじめを見せねばならぬ事位は承知しておるのじゃろうな?」
「それは勿論」
「潔いな。では右か左のどちらかの腕を出せ。それで赦してやろう」
「なっ!?」
声を出して驚いた
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