第2話 閻魔の裁量
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出来ないし、するべきじゃない。本来ならお前が知るべき世界じゃない。帝さん本人だって、つい最近教えられたばかりなんだろ?」
「むっ」
「それにお前は何れ世界を背負うんだろ?そんな人間でも知るべき情報と知らずにいるべき情報があるんだぞ?」
「・・・・・・後者だと言いたいのか?」
「当然」
「言い切るのだな・・・」
「英雄が教わった魔術の情報は裏社会と繋がっていると言うか、その最深部の入り口みたいなものだからな。そこに近づくと言う事は死へのリスクが大きく高くなるだけだ。余計な世話かもしれないが、これでも心配してるんだぞ?」
「ぬぅ・・・」
隠されていた事には不満があったが、最後の一言に黙る英雄。
矢張り魔術師だろうと士郎は士郎、そう完結させたのだろう。
しかし当の士郎は英雄の感情にお構いなく、彼以外の4人に言葉を向ける。
「それはそれとして、雷画の爺さんはああは言いましたけど、魔術の件での仕事を頼みたければ言ってください。極力引き受けますから」
「おっ、ホントかい?それは助かるねぇ」
「ですが条件があります」
「条件?」
「おっ、金の話か?正直意外だが、幾ら欲しいんだ?」
「俺はそこまで望みませんが、少なすぎてもアレなんでしょう。ですからそちらは雷画の爺さんと折衝しあってください。――――俺の条件と言うのは弟分や“家族”に手を出した場合、容赦なく敵に回ると言う事です」
士郎の言葉に面喰らう一同だが、帝とヒュームが凄く楽しそうに返す。
「又もや意外だな。温厚そうに見えたが、まさか条件どころか脅迫してくるとは」
「喧嘩を売っていると言うなら、極東本部に到着次第喜んで買ってやるぞ?影の女王の洗礼だけでは欲求不満だったからな」
「受け取られ方はどうとでも。ですが事前に宣言しておかないと舐められそうだったので」
士郎の返答が余程痛快だったのか、帝は笑いながら言葉を続ける。
「俺とヒュームの挑発にも臆せず冷静に返す・・・・・・か。やっぱ、お前好いな!将来なんて言わず、明日から九鬼財閥に来ねぇか?」
「お誘いは光栄ですが、将来の選択肢の一つとして検討させて頂きます」
「のらりくらりと躱すか。けどな、俺は気に入った奴は絶対逃がさない主義だから、覚悟しとけよ・・・!」
「世界の九鬼の総裁に、そこまでご評価して頂けるのは誠に恐縮です――――が着きました」
言葉通り九鬼極東本部前に着いた車から、九鬼陣営に此処まで運転してきた士郎も降りる。
「送ってくれてアリガトよ。けどホントに1人で帰る気か?」
「ご心配には及びません。魔術師としての見回りがありますから」
そう言うと一瞬で、髑髏の仮面に赤い外套の正体を隠す魔術使いの衣装を|転
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