第2話 閻魔の裁量
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東西交流戦。
それは川神学園学園長兼川神院総代の川神鉄心の嘗ての愛弟子、鍋山正が九州地方を地盤に福岡県に建てた天神館の修学旅行で東京に来ている生徒達からの挑戦状で始まった突発的イベントだ。
一年VS一年、二年VS二年、三年VS三年の三回戦で行われる。
昨夜の時点で既に一年戦は川神学園の敗北で終わっており、今夜は三年戦が始まっている。
『天・神・合・体ッッ!!!』
「・・・・・・・・・・・・」
武神・川神百代を倒す為、天神館OBとの協力も取り付けての妙技で挑んで出来る三年生勢に百代は意気高揚――――していなかった。
これが士郎との鍛錬以前までなら倒し甲斐が有ると興奮していただろうが、今の百代にとっては取りあえずちゃっちゃっと済ませるかと言う程度の想いしかなかった。
「川神流――――星殺しぃいいいいいい!!」
『ウォオオオオオオオオオオオオ・・・・・・』
一応礼儀として、大技で仕留めて差し上げる百代。
「ユーミン、残敵掃討宜しく〜」
「了解で候・・・」
「ん?如何した矢場」
「いや、百代がいつもより覇気が少なくて驚いているので候」
「確かにその気を感じるが・・・・・・衛宮がいないからだろう」
彦一の推測が耳に届いていた百代は僅かに反応する。
「成程で候。最近百代は衛宮にべったりだから、いざ傍に居ないと寂しそうになるで候」
「そこまで露骨じゃないだろう!?」
「何だ?聞いていたのか」
「白々しい!絶対聞こえる音量で話してただろうが!」
百代の怒声をまるで涼風の様に受け切る彦一。
こと、声だけなら言霊使いの彼に分があるから、ビビる事も無いのだ。
「なら百代は如何して今日そんなに覇気が無いで候?」
「それは・・・」
「その反応、矢張り衛宮関連か。確か衛宮の家で新しい留学生を受け入れるなりなど聞いているからな。忙しいから来るなとでも言われて拗ねていると言った所か」
「ッ」
彦一の指摘により反応する百代。
それでは認めているも同然であり、まあ、事実である。
「如何やら図星の様で候」
「愛しの衛宮からつれなくされれば、さしもの武神も乙女になるのか」
「いや、それは逆ではないか候?」
「む、そうか?いや、確かに矢場の言う通りかもしれん」
言いたい放題い合っている2人に百代が怒鳴る。
「ずいぶん言ってくれてるが、その前にだ――――何が愛しの衛宮だッ!何時私が士郎の事を愛してるなんて言った!?」
吠える百代。
しかし、矢場も彦一も「ん?」と疑問を呈している様な顔をしていた。
「違うのか?」
「違うので候?」
「せんっぜんっ、違う!アイツは私にとってただの戦闘意欲の解
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