【SEED】ボンサイ操縦者のボヤキとアガキ2
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持っていない。未来知ってるけどお前死ぬわ、なんて言える訳もないし、俺が乗り込んでいってもOSの書き換え出来ないもの。出来るのはただ、祈ることのみだ。
出来ればこの戦いでミゲルとサヨナラバイバイは遠慮したいという思いはあるけれど――まぁ、その辺は俺の頑張りとスーパーコーディネーター殿次第だろう。つくづく他人任せな行動計画に辟易しながら、俺は今日を生き延びるための行動を続けている。
終わらない明日とやらを、この目で拝むために――。
= =
ヘリオポリス侵入計画を控えたアスランたちは、スーツの最終点検をしながら気晴らしに会話していた。こういう時、一番喋るのはディアッカだ。
「しかし昨日の模擬戦じゃ災難だったな、イザーク?」
「煩い、言うな!」
短気なイザークの怒鳴り声に「おお、怖い怖い」とおどけるディアッカ。しかしイザークの反応も無理らしからぬことだ。その模擬戦でイザークは完全敗北を喫し、エリートの証である赤服の矜持をひどく傷つけられたのだから。その光景を目撃した人間の一人、ニコルもその光景を思い出して微妙な表情を浮かべる。
「『黄昏の魔弾』ミゲル先輩と常に行動を共にするもう一人のエース、『逢魔の狩人』カリグラ……僕は正直、誇張された話だと思っていました。ナチュラルなのにあれほど動けるなんて……」
「ああ……まさかイザークがああも一方的にやられるとはな。あの調子では俺たちの誰が挑んでも同じ結果だろう」
「黙れアスラン!貴様の下手な慰めなど嬉しくもない!!」
「おいおい、それは流石に被害妄想だって。落ち着けよイザーク」
ラスティにどうどうと諫められるイザークの腸は、昨日の模擬戦の事で煮えくり返っていた。
彼らはアカデミーの先輩にあたるミゲルとは知った仲だったが、そのミゲルと友人であるカリグラ・タキトゥスという男の事は会話や噂でしか知らなかった。ミゲルの話では面白い友達という範囲の言葉しか出なかったが、別の噂曰く「ナチュラルが成績を誤魔化してコーディネーター気分になっている」とか「ミゲルとハイネの腰巾着」とかろくでもない噂が多数だった。彼ら自身、どうせナチュラルなんだと無意識に見下していた部分もあっただろう。
その考えを、イザークは馬鹿正直に本人にぶつけた。ミゲルのおこぼれで食っている半端者のナチュラルはザフトには不要だ、と。馬鹿にしているというよりは、そうでないことを示してみろ、という挑発の面が大きかった。
これは正直、アスラン達から聞いてもちょっと酷い物言いだった。仮にも相手は同じ隊の人間で先輩だ。しかも真偽の程はどの程度かしれないが公式に実績がある。しかし、気性が荒く少し思い込みの激しい所のあるイザークからすればカリグラという男の印象はかなり悪かったため、こん
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