【SEED】ボンサイ操縦者のボヤキとアガキ2
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ていない。
俺としてはこれ幸いとザフトを辞めてジャンク屋にでも転業した方が圧倒的に楽しそうだったのだが、ここで俺と上層部の誤算が三つ。
まず一つ。恐らくだが、クルーゼが口利きをして俺の処分の話を揉み消した。それが証拠に何かとあいつは俺に意味ありげな視線や言葉を送ってくる。部下思いの理想の上司だったら感動ものだが、フラガ仮面の思惑は分かっている。ナチュラルの俺をザフトに残しておくことで、後で何らかの罪を面白おかしく被せるスケープゴートにする腹積もりに違いない。もしくは戦争終盤で俺を唆して大事件やらかしてもらうとか。ともかく俺の地位の特異性を利用する気であることは想像できる。
そして次、盆栽マスターズ。ハイネとは途中で所属を違えたが、ミゲルとは未だにコンビを組んで戦っている。そのミゲルだが、こいつは何だかんだでエースクラスなのだ。そのエースクラスの機動には付き合いの長い俺以外は着いてこれない。ミゲルはこの事実を利用して常に俺とタッグの配属を希望している。
普通の軍隊ならそういうのは許されないが、ザフトは良くも悪くもアットホームな所がある。それにパイロットの絶対数の少なさから特にエース級のパイロットの待遇はかなりいい。そんなエースの生存確率をより上げられる専属パートナーというのは、利用しない訳にはいかないのだ。
最後に一つ。実は俺とミゲルの戦いは、ミゲルが突っ込んで陣形をかき乱し、落とし損ねた相手を後続の俺が叩き落すという二段構えの戦い方をしている。その関係で俺の撃墜数がミゲルと殆ど同列――すなわちエース級になっちまっているのである。
まぁ、俺も実力がない訳じゃないのでその辺の平均的パイロットと模擬戦すれば大体勝てる程度には動けるが、エースにすんなし。普通に迷惑だわ。
という訳でザフトから逃げられない俺であるが、先述の通り肩身が狭い。差別思想丸出しの同僚はナチュラルを平然と罵るし、その後に俺がいるのに気づいて申し訳程度にフォローするのがやるせない。逆に俺を公然と「下等生物が!」と罵ってくる場合もあるのが面倒な所だが、最近は対応が面倒臭くなって「模擬戦するぞ」とシミュレータに乗せてボッコボコにしてから「お前とは覚悟が違うんだ」とそれっぽいことを言って実力を分かってもらうことにしている。みんな俺がナチュラルだからって油断しているのが見え見えなので倒すのは難しくなかったし。
そしてミゲルはそれに口を出したり出さなかったり、決して庇い過ぎない距離を保っている。俺としてはそれぐらいの距離がありがたいものだ。
「………さぁて、そろそろ格納庫にでも行くかね?赤服のお坊ちゃま方が出撃する頃だし」
これから彼らは死地に向かう。そしてラスティは死ぬ。多分だが。
俺はそれに対して「油断するなよ」くらいしかかける言葉を
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