第4章:日常と非日常
第110話「体育祭」
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=優輝side=
「宣誓!我々は、スポーツマンシップに則り―――」
生徒全員がグラウンドに集まる中、代表者が宣誓の言葉を言う。
本日は聖祥大附属小学校の体育祭だ。お誂え向きに天気も晴れ渡っている。
「最初は100m走だっけな?」
「そうだぞ。午前に1,2年の50m、3,4年の80m、5,6年の100m、玉入れ、1,2年の大玉転がし、3,4年の台風の目、5,6年の二人三脚、大繩、綱引きだ。午後は応援合戦をしてから、障害物、全員リレー、1,2年、3,4年のダンス、最後に5,6年の組体操だ。」
「おおう、全部覚えてるのか...。」
「分かりやすい順番だったからな。」
開会式が終わり、自身のクラスのテントに戻りながら僕と聡でそんな会話をする。
「お?玲菜、どうした?」
「どうしたって...用がなければ来ちゃいけないって言うの?」
「いや、だってここ一応赤組だぞ?」
やってきた玲菜に、聡がそういう。
ちなみに、僕と聡は赤組、玲菜は青組だ。
「別に競い合ってるだけなんだからいいだろ。ほら、行ってこい。」
「ちょ、優輝、押すなって。」
「....ふん...。」
聡に会いたいがために来たのだろう。そう思って僕は聡の背中を押す。
気づいてくれない聡に、玲菜は不機嫌そうだしな。
「じゃ、僕はこれで。」
「えっ、優輝!?」
「ごゆっくりー。」
気を利かせて僕はすぐにそこから立ち去る事にする。
戸惑ったままの聡を放置して、僕は少し歩き回る事にした。
「優輝君、どこに行くの?」
「ん?ちょっと親の所に。まだ集合まで出番があるしね。」
「私も行っていい?」
「いいよ。」
司もついてくる事になり、とりあえず父さんや母さんの所に行くことにする。
そう、来てるのだ。さすがに僕の親だとばれないようにしているが。
ちなみに、椿と葵も来ている。アリシアも部活後に来るらしいな。
「っと、いたいた。」
「皆固まってるね。」
どうやら皆で場所取りをしたらしく、士郎さんやプレシアさん達もいた。
「...随分賑やかなのね。」
「去年は山菜とか採りに行ってたからねー。一種のお祭りみたいなものだよ。」
そう、椿と葵は体育祭を見に来るのは今回が初めてだ。
父さんと母さんも僕が一年の時以来なので、ヘマはしないようにしないとな。
「優輝はまずどれに出るんだ?」
「100mが全員参加だからまずはそれかな。個人だと二人三脚と障害物。どこにいるかは椿と葵なら見つけやすいんじゃないかな。」
「み、見つけやすいってどういう事よ。」
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