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SAO−銀ノ月−
鋭二
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ないだろうけど……」

「解決策をそいつしか知らないんじゃ仕方ないでしょ。さっさと話しなさい」

「……ああ。まず、この《オーディナル・スケール》は、大部分をあの《SAO》から流用してる」

 シノンの吐き捨てるような一言に促されて、エイジはこの事態を収集するための手段を語りだした。周りの《オーディナル・スケール》のボスとして表れるSAOボスを見ても、そのエイジが語る前提条件は理解できる。

「だから同じなんだ。最終ボスを倒すことが出来れば、《オーディナル・スケール》もクリアされ、この事態を納めることが出来る」

 エイジの言葉から脳裏に浮かぶのは、ヒースクリフという管理者を失ったことで、自主的に崩壊する浮遊城《アインクラッド》の姿。ゲームである以上は必ずや終わりはあり、《SAO》にとっての終焉はラスボスであるヒースクリフを倒すことだった。 それと同様のリソースを使っている《オーディナル・スケール》も、ボスを倒せば終焉を迎えるのだという。

「……つまり?」

「今からSAOの百層ボスのところへ送る。そこでボスを倒して、もう一度……もう一度、《SAO》をクリアしてくれ!」

「……でも、どうやって?」

 そうして告げられた方法は、俺たちが二重の意味で拝むことのなかった《SAO》本来のラスボス、ヒースクリフではない百層ボスの撃破。ステージ内のすべてのボスを倒す、などと言われなかっただけありがたいが、直葉の率直な疑問はその通りだった。まさか今から浮遊城を百層までプレイし直せ、という訳でもあるまいが。

「《オーグマー》は《ナーヴギア》の機能縮小版でしかない! ダイブ先の座標と解除コードによるアンロックがあれば、限定的ならフルダイブは出来る!」

『……はい! 任せてください!』

 恐らくは百層の座標と解除コードとやらは知っているエイジが、チラリと目の前を飛ぶユイの姿を見る。実際に《オーグマー》の解除コードを入力出来るのは、この場ではユイだけだというエイジの視線を理解し、ユイはエイジの《オーグマー》からデータを収集していく。

「アインクラッド、百層ボス……」

「相手にとって不足はないじゃない。もちろん、SAO生還者じゃなくても行けるんでしょうね?」

「あ、ああ……」

「私たちが倒してやりますから!」

 あのデスゲームの本来のボスと聞いて、緊張が走るメンバーとは対照的に、シノンはエイジに念押しするほどの余裕さを見せてみせて。同じくSAO生還者でない直葉の調子でもって、残るメンバーからの緊張が抜けていく。各々が軽口を叩きつつもフルダイブに備えて座席に座るのを見て、俺は震えるリズの隣に座ると彼女の肩を掴む。

「リズ……」

「……ったく、情けないわね。こんな震えちゃって」

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