鋭二
[11/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ないだろうけど……」
「解決策をそいつしか知らないんじゃ仕方ないでしょ。さっさと話しなさい」
「……ああ。まず、この《オーディナル・スケール》は、大部分をあの《SAO》から流用してる」
シノンの吐き捨てるような一言に促されて、エイジはこの事態を収集するための手段を語りだした。周りの《オーディナル・スケール》のボスとして表れるSAOボスを見ても、そのエイジが語る前提条件は理解できる。
「だから同じなんだ。最終ボスを倒すことが出来れば、《オーディナル・スケール》もクリアされ、この事態を納めることが出来る」
エイジの言葉から脳裏に浮かぶのは、ヒースクリフという管理者を失ったことで、自主的に崩壊する浮遊城《アインクラッド》の姿。ゲームである以上は必ずや終わりはあり、《SAO》にとっての終焉はラスボスであるヒースクリフを倒すことだった。 それと同様のリソースを使っている《オーディナル・スケール》も、ボスを倒せば終焉を迎えるのだという。
「……つまり?」
「今からSAOの百層ボスのところへ送る。そこでボスを倒して、もう一度……もう一度、《SAO》をクリアしてくれ!」
「……でも、どうやって?」
そうして告げられた方法は、俺たちが二重の意味で拝むことのなかった《SAO》本来のラスボス、ヒースクリフではない百層ボスの撃破。ステージ内のすべてのボスを倒す、などと言われなかっただけありがたいが、直葉の率直な疑問はその通りだった。まさか今から浮遊城を百層までプレイし直せ、という訳でもあるまいが。
「《オーグマー》は《ナーヴギア》の機能縮小版でしかない! ダイブ先の座標と解除コードによるアンロックがあれば、限定的ならフルダイブは出来る!」
『……はい! 任せてください!』
恐らくは百層の座標と解除コードとやらは知っているエイジが、チラリと目の前を飛ぶユイの姿を見る。実際に《オーグマー》の解除コードを入力出来るのは、この場ではユイだけだというエイジの視線を理解し、ユイはエイジの《オーグマー》からデータを収集していく。
「アインクラッド、百層ボス……」
「相手にとって不足はないじゃない。もちろん、SAO生還者じゃなくても行けるんでしょうね?」
「あ、ああ……」
「私たちが倒してやりますから!」
あのデスゲームの本来のボスと聞いて、緊張が走るメンバーとは対照的に、シノンはエイジに念押しするほどの余裕さを見せてみせて。同じくSAO生還者でない直葉の調子でもって、残るメンバーからの緊張が抜けていく。各々が軽口を叩きつつもフルダイブに備えて座席に座るのを見て、俺は震えるリズの隣に座ると彼女の肩を掴む。
「リズ……」
「……ったく、情けないわね。こんな震えちゃって」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ