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大淀パソコンスクール
節目の日

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に思いっきり口角を上げていて、眩しい光でおれの目にダメージを与えてきていた。でもちょっとほっぺたを赤くしてて、それが俺の胸の辺りをつんつんと突っついてきて、恥ずかしいようなうれしいような、妙な感覚を覚える。

「にひっ」

 記憶を懸命に辿る。えーと……確か住所を入力していいか聞かれて……難しいか聞かれて……えーと……彼女がいるかどうか聞かれて……そしてそのあと……

 ……あ。

 俺は記憶の糸を必死にたどり、やっと答えを見つけ出すその間中ずっと、俺の隣にいる新しい彼女さんは、いつもの眩しい……でもハラタツ笑顔で、俺の方をジッと見つめていた。

 ……分かった。こいつ、わざとだ。俺が作業に没頭したら生返事しか出来ないことが分かってて、あえてそれを狙ったのか。

「せんせ!」
「お、おう」
「これからよろしく!」
「よ、よろしく……」
「とりあえず、住所録作っちゃうね!」
「お、おう」

 川内は俺に改めての挨拶を交わし、ほっぺたを赤く染めたまま、再び自分の作業に戻った。俺はというと、なんだか頭が混乱して、ぼけーと川内の横顔を眺めることしか出来ない。突然の告白……そしてフォームを作らなければならないという義務感……目の前にいるのは新しい彼女さん……しかもすんごいべっぴんさん……でもすんごい残念な夜戦バカ……いろんなことがごっちゃになって、頭の中が、目の前の川内の笑顔でいっぱいになって、なんだかもう色々と手につかない状況だ。

「せんせ?」
「ん、んお?」
「それ、続きやらなくていいの?」
「あ、ああ。そうね」
「ぷっ……しっかりしてよせんせー。私の新しい彼氏さんなんだから」
「す、すまん」

 川内にそう促され、慌ててAccessの画面に戻る。フォームウィザードが途中で止まってる。えーと……これを再開して、新しくまたフォーム作ればいいんだよな……えーと……

「♪〜……♪〜……」

 俺の隣から、あの鼻歌が聞こえてきた。俺の家の台所で聞いた、あの、妙に心が安らぐ鼻歌だ。

 川内にバレないよう、こっそりと横顔を見る。俺の隣で川内が、楽しそうに笑顔を浮かべ、住所録にデータを入力していた。

「……」
「♪〜……♪〜……」

 前を向き、そのまま一度、目を閉じる。川内の鼻歌のおかげなのか、不思議と少しずつ気持ちが落ち着いてきた。

「……うっし」
「♪〜……♪〜……」

 落ち着いて、改めてフォームウィザードを見る。もう一度フィールドを選択しなおし、フォームを作成する……よし。出来た。

「♪〜……♪〜……」
「♪〜……♪〜……」

 気がついた時、俺も自然と、この間抜けな鼻歌を歌っていた。教室内に響く、二人の鼻歌。いつものような大騒ぎもないし、この前みたいなアクシ
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