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大淀パソコンスクール
節目の日

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うものなのだろうか。

 時計を見る。午後7時5分前。いつもどおりなら、奴がそろそろやってくるはずなのだが……

「……!?」

 ……フと、教室内の温度が下がった気がした。温度計を見る。室温は23度。決して低い温度ではない。だか、体感では2度ほど室温が下がったような……そんな感覚を覚える。

「……何事だッ!?」

 コレは異常事態……まさか……奴が来たのか! ヤツを取り巻くヘンタイ夜戦バカの殺気が、ヤツを待つこの俺の皮膚に寒さをもたらしているというのか……ッ!?

 立ち上がり、入り口ドアのドアノブを見る。異常は……ない。ノブが回された形跡もなければ、ガチャガチャと向こうから触れられている感覚もない……強いて言えば、あの夜戦バカの殺気が、ドアの隙間からドライアイスのようなもくもくとした煙状となって室内に侵入してきているぐらいか。だが。

「……静か過ぎる……ッ!?」

 そう。静か過ぎる。室温が下がり殺気が侵入しているというのに……ヤツは必ず近くにいるはずなのに、静か過ぎる……奴は……川内は一体何をたくらんでい

「わッ!!!」
「ひゃぁあんっ!!?」

 背後からの突然の大声。無防備の俺の鼓膜に容赦なく届く不意打ちの衝撃……俺の肝が無意識に反応し、脊髄反射で情けない悲鳴を上げた。腰が砕け、両足がへなっとしなり、俺は腰からガクンとその場に崩れ落ちてしまった。

「あひゃひゃひゃひゃ!! 相変わらずせんせーの悲鳴が情けないっ!!」

 苦労して振り返った俺の背後には、腹を抱えて涙目で可笑しそうに笑う、夜戦バカの川内の姿があった。ドアは閉じているというのに、一体どこから入ってきたのか!?

「お、お前……ッ!!」
「ん? なにー?」
「どこから入ってきた!? ドア開いてないぞ?」
「デュフっ……あっち!」

 まるでネオンいっぱいのブロードウェイの夜景のような眩しい笑顔を見せつけながら、川内は自分の後ろを振り返って、教室の窓をビシッと指差した。指差した先を視線で追っていくと、教室の窓が一箇所、開いていた。

「窓から侵入したのかッ!?」
「いや、今年最後だから、せんせーをびっくりさせたいなぁと思って!」
「意味が分からんっ! そもそもちゃんとドアから入ってこいって!」
「えー。だってそれじゃせんせーをびっくりさせられないじゃん」
「びっくりさせなくていいんだよっ」
「夜戦だよ? 相手をびっくりさせるのは夜戦の基本だよ? “兵は詭道なり”だっけ?」
「意味違う。絶対に意味違うっ。第一、夜戦じゃないし勝ち負けなんてないんだよっ!! いいから早く窓閉めてこいって寒いんだからっ!!」
「ちぇー。ぶーぶー!!」

 口をとんがらせブーブーとブーイングをかましながら、自分が侵入した窓を
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