剣で語れ
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のユニークスキルを思い出した。
「"一刀流"は唯一、その勇者の立ちはだかる壁となる事が出来るスキル。全プレイヤーの中で剣技と正確さが最も優れているプレイヤーに与えられる。」
「だから……」とヒースクリフの代わりにキリトくんが……
「"擬似二刀流"が可能なのか…!」
ヒースクリフは頷いて、ライくんの横を通り過ぎた。
「俺を殺せ、そうすれば全て終わるだろ?」
ライくんは剣を鞘に戻し、笑顔でいつも通りに言った。
「は…?」
「だから俺を刺せって、その剣で。」
「何言ってんだ…!俺はお前を……!」
キリトくんが反論した瞬間。
ビュッ
「え…?」
ライくんが剣を握り、キリトくんの頬に傷をつけた。
「それなら戦え、お前が死んでも知らないからな。」
「ライくん…!」
私は叫んだ。
──いつもの彼じゃない、違う違う違う!
「……。」
「ライくん……!」
私は泣いていた。
彼が、彼がこんな事を願うはずがない
彼はゆっくりと私に近づいてしゃがんでぼそっと言った。
「明日奈。」
「…!?」
「ユイって名前を覚えておいて。」
「え?」
「頼んだよ、明日奈。」
──あ……駄目……!
思っても身体は動かない。
そう言うと彼は立ち上がり、キリトくんに視線を向けた。
この時の彼は、昔の彼と同じだった気がした。
「……手加減はしないよ、相棒。」
「ライ……!」
そこからは目で追いつくので精一杯だった。
"一刀流のライア"と"二刀流のキリト"
青の剣士と黒の剣士の剣技はあまりにも凄まじかった。
細剣の早さが全然早くないと感じるかのような反応速度。
「くっ!?」
「これで終わりだ、キリト。」
ライくんはそう言うと、いつの間にか装備していたもう1本の剣を左手で抜き二刀流の構えをした。
「擬似二刀流か…!」
「"ソーゼルト・リバース"」
その言葉と同時に、キリトくんとライくんの位置が変わった。
「え…?」
攻略組全員が訳が分からなかった。
「…っ!?」
「またな、相棒。」
ライくんの10連撃が決まった事で、キリトくんのHPはどんどん減っていく。
「キリトぉぉぉぉ!」
キリトくんはそのまま地面に倒れ、ライくんがそのキリトくんに近づいた。
「───────。」
何か話してから彼はキリトくんに剣を突き刺した。
「…!?」
この場にいる全員が言葉を失った。
黒の剣士が、目の前で青の剣士に殺される。
という事実だけが頭に残る。
「ライ…テメェ…!」
エギルさんとクライ
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