暁 〜小説投稿サイト〜
ドリームノッカー国物語
第一話。全てが酷かったので青空を見上げました
[5/11]

[1] [9] 最後 最初
 「交渉は終わっていない筈ではないのかルイリー殿」
 
 これに兵士も言葉がない、ルイリーも困惑した。

 「どうするのか決めてもらわねば」

 ルイリーはカスラを見るも、カスラは苦笑し首を横に振る。

 「ルイリー殿!」

 昔に教官に怒鳴られたかのような昔の事を思い出し、ルイリーは苦笑し、もろ手を挙げた。

 「降参します」

 これにライが激高し掛けるが、周りもびくりとなりかけるも、カスラが背に手を回し落ち着かせ、ライが静かに敬礼をした。
 ルイリーも苦笑し諸手より敬礼に変えた。

 「では、一時的に兵を預からせてもらうぞ」

 ルイリーも頷いたが、兵士達が困惑する。

 「指揮権を預かるという訳ね、了解よ。じゃ」

 ライが直ぐに兵を集め、直ぐに町の整備に動く、まずは城門の封鎖、直ぐに整備に必要な物資の計算、必要な予算の計上、それらを終えながらも、要らない物資を売却し、この資金で兵の給与を支払う、兵士達はこの巧さに思いっきり苦笑していた。
 事務方の文官に書類を叩き付け、直ぐに兵士を預かっているのでと言い、文官たちの仕事を行わせ、文官たちも文句を言いながらも嵐の中と言って働き、まともな仕事が終わる昼間に、兵士達も久しぶりの食事に、町の人々にも笑顔が広がり、城門が封鎖されながらも暖かい一息と言えた。
 そこに一人の文官が来る、太りきった中年の男だ。

 「仕事の話がしたい、可能ならそう文官の下請けでもどうか」
 
 「仲介料は銅貨一枚だ」

 これに中年の文官は金貨一枚を支払うが、ライは受け取らずに黙っている。
 周りの兵士がざわつき、文官たちも慌てだした。

 「それはなんだ。俺は銅貨一枚と言わなかったか?」

 凄みのある声に中年の文官は背筋を伸ばし、急いで銅貨を探すもない、ライは何も言わずに去る。文官たちも、兵士達も嵐の中には生きられないと愚痴を一つ漏らす。

 「では」

 兵士が一枚の銅貨を見せる。

 「確かに銅貨一枚だ」

 ライが見てから言う。

 中年の文官は金貨一枚と交換し、銅貨一枚を出した。

 「で、何の仲介だ」

 「文官の下請けを探しております。大至急です」

 これにライが受け取り、銅貨を調べる事もなく、使えそうな人物を一人紹介した。
 娼館より呼ばれたエイミーが、仲介の話を聞いて、請け負う。

 「そちらの方と話してくれ、銅貨一枚は確かに受け取ったぞ」

 ライが去る。文官たちは直ぐに銅貨を探し出す、兎にも角にも銅貨がいる、それは金貨一枚と交換しても惜しくはない、何せ、紹介でエイリーが来るほどの人物の紹介だ。当然次は自分の紹介を仲介してもいい、変ではあるが、文官も出世に忙しいからだとも言えた。
 あちらこち
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ