第一話。全てが酷かったので青空を見上げました
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「交渉は終わっていない筈ではないのかルイリー殿」
これに兵士も言葉がない、ルイリーも困惑した。
「どうするのか決めてもらわねば」
ルイリーはカスラを見るも、カスラは苦笑し首を横に振る。
「ルイリー殿!」
昔に教官に怒鳴られたかのような昔の事を思い出し、ルイリーは苦笑し、もろ手を挙げた。
「降参します」
これにライが激高し掛けるが、周りもびくりとなりかけるも、カスラが背に手を回し落ち着かせ、ライが静かに敬礼をした。
ルイリーも苦笑し諸手より敬礼に変えた。
「では、一時的に兵を預からせてもらうぞ」
ルイリーも頷いたが、兵士達が困惑する。
「指揮権を預かるという訳ね、了解よ。じゃ」
ライが直ぐに兵を集め、直ぐに町の整備に動く、まずは城門の封鎖、直ぐに整備に必要な物資の計算、必要な予算の計上、それらを終えながらも、要らない物資を売却し、この資金で兵の給与を支払う、兵士達はこの巧さに思いっきり苦笑していた。
事務方の文官に書類を叩き付け、直ぐに兵士を預かっているのでと言い、文官たちの仕事を行わせ、文官たちも文句を言いながらも嵐の中と言って働き、まともな仕事が終わる昼間に、兵士達も久しぶりの食事に、町の人々にも笑顔が広がり、城門が封鎖されながらも暖かい一息と言えた。
そこに一人の文官が来る、太りきった中年の男だ。
「仕事の話がしたい、可能ならそう文官の下請けでもどうか」
「仲介料は銅貨一枚だ」
これに中年の文官は金貨一枚を支払うが、ライは受け取らずに黙っている。
周りの兵士がざわつき、文官たちも慌てだした。
「それはなんだ。俺は銅貨一枚と言わなかったか?」
凄みのある声に中年の文官は背筋を伸ばし、急いで銅貨を探すもない、ライは何も言わずに去る。文官たちも、兵士達も嵐の中には生きられないと愚痴を一つ漏らす。
「では」
兵士が一枚の銅貨を見せる。
「確かに銅貨一枚だ」
ライが見てから言う。
中年の文官は金貨一枚と交換し、銅貨一枚を出した。
「で、何の仲介だ」
「文官の下請けを探しております。大至急です」
これにライが受け取り、銅貨を調べる事もなく、使えそうな人物を一人紹介した。
娼館より呼ばれたエイミーが、仲介の話を聞いて、請け負う。
「そちらの方と話してくれ、銅貨一枚は確かに受け取ったぞ」
ライが去る。文官たちは直ぐに銅貨を探し出す、兎にも角にも銅貨がいる、それは金貨一枚と交換しても惜しくはない、何せ、紹介でエイリーが来るほどの人物の紹介だ。当然次は自分の紹介を仲介してもいい、変ではあるが、文官も出世に忙しいからだとも言えた。
あちらこち
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