第一話。全てが酷かったので青空を見上げました
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は顔を見合わせ、纏め役の若い女性が強く頷いた。
「話を聞きましょう」
その声の後に、ライが声を出した。
「ライ・ハルカだ。そちらの纏め役の名前は」
声からしても怒り、しかし、纏め役の女性も軽く頷いてから名乗る。
「エメリーです」
銀髪の若い女に、ライは強く頷き、敬礼をした。
その流れるようなしぐさに、近くの護衛が槍を向けようとするが、その護衛の副官が制す。
「マチルダ様!」
副官の叫びに、マチルダと呼ばれた槍の使い手の護衛が、苦笑し、槍を戻した。
「老婆が呼ばれている、皆来るであろう。よって仲介は成り立った。手数料を貰うぞ」
これに皆が苦笑するも、門には多くの老婆が来ていた、近くの奴隷商人が見届けて、纏め役のエメリーが金を払う。
「紹介料は一人幾らです」
「銅貨一枚だ。一人につきな」
これに、奴隷商人達が群がる。
金を受け取った後に、老婆に対する労働契約を行い、この娼館との契約と、追加料金の設定も終え、カスラと共に出る。
「城門に行くぞ。カスラ」
カスラも分かる、この若い女はキレる。
城門へと歩き、そこには男たちが集まっていた。
「仕事がある、町のゴミ一つを買い取ろう。一つに付き銅貨一枚だ」
男たちは急ぎ町に出る。
町のゴミをひたすら集めて持ってくる、それを集めてから、ライが数え、カスラが金が足りないという。
「足りなかったか、全員で分けるといい、有り金全部だ」
足りないが、確かに支払う物は支払いすっからかんだ。
「このゴミは貰うぞ」
男たちも文句はないので頷いて帰る。
膨大なごみを、城門の横の兵士達は黙ってみる。
「兵士達、私物が邪魔しているな、上司を呼んでくれ、交渉したい」
年かさの兵士が走る。
若い女が呼ばれてきた。
「ライ・ハルカ、こちらがカスラ」
「カスラよ」
「ルイリーよ。何この私物」
直ぐに名乗る女に、ライが説明し、ルイリーは呆れながらも酷薄に笑い、何度も話を聞いては肩を笑わせる。
「面白い事を言うわね、町のゴミを買い取ったが金が足りずに、城門に有ると」
「ルイリー様!」
年かさの兵士が声を出した。
「何?」
兵士が後ろを指差した。
ルイリーの後ろには、マチルダと副官がいた。
黒髪の流れるような若い槍の護衛のマチルダに、短い金髪の剣士の副官の組み合わせに、ルイリーは腰の剣を取ろうとする。
「エイミー様より話があるそうだ。連れて来いと」
ルイリーはマチルダの言葉に意味を悟り、前にいるライを睨むが、ライは怒りの目をしたまま睨み返した。
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