ガンダムW
1729話
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う事は出来ない筈だった。
だが……今目の前で広がっている光景は、誰にとってもMDというのが絶対的な存在ではないという事を現していただろう。
ファントムはビームソードを展開しながら真っ直ぐに突き進み、トーラスを貫く。
一応MDは敵の弾丸を回避出来るようにAIで制御されているのだが、それだって敵が持っている武器から射線を計算して回避しているにすぎない。
だが、ファントムには当然砲口のようなものはない。
ましてや、何かが近付いてくると反応して回避したとしても、ファントムは俺の念動力によってコントロールされているのだ。
回避した先に向かって突き進み、次々にトーラスの機体を貫き、宇宙に爆発の花を咲かせていく。
そうして一連の攻撃が終わった後……ピースミリオンを攻撃していたMD部隊の数はごっそりと減っていた。
……それでも、増えた撃墜数は3か。
だとすると、倒した指揮官機は全部で3となる。
これは、思ったよりも少ない。
いや、それとも思ったよりもMDの方が多いと言うべきか?
ともあれ、これでピースミリオンを襲っていたMDの数がごっそり減ったのは間違いのない事実だ。
「聞こえているな、ピースミリオン。こちらアクセル・アルマーだ。今の攻撃でMDの数は一気に減ったが、ピースミリオンの方は大丈夫か? それと、ヒルデの方はどうなっている?」
『……へ? え? あ……今の攻撃はアクセル代表ですか!? ウイングゼロのツインバスターライフルよりも圧倒的な攻撃でしたよ!? そもそも、その機体って一体何なんですか!』
思い切り混乱した様子でピースミリオンから通信が送られてくる。
「言っただろう? これからすぐに援軍に行くって。……詳しい話に関しては、また後でだ。とにかくさっきの質問に答えてくれ。ピースミリオンはまだ無事なんだな? それとヒルデも」
『あー……えっと、はい。大丈夫です。問題ありません』
混乱した様子から一転、どこか平坦な様子で返事がくる。
許容量を超えたのか?
まぁ、ここで面倒な事にならないというのは、俺にとっても楽でいいんだけど。
ともあれ、ピースミリオンを襲撃しているトレーズ派の部隊は一気にその数を減らした。
……にしても、今の一撃で撃破した機体はかなりの数になる筈だが、その中で有人機が3機だけとなると、やっぱりピースミリオンの襲撃を計画したのはトレーズじゃなくて、レディ・アンか?
もしくは……トレーズがMDを使うようになった?
その辺りはどうでもいいか。
とにかく、こちらとしてはピースミリオンの救援さえ出来ればいい。
トレーズ派に対する攻撃は、それこそ今回の一件が終わった後でしっかりとやればいいのだから。
「そうか。なら、綾子、デュオ、五飛も出撃してくる
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