シャンティエにて
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いて、夜食を作ってきたよ〜♪ 長雨のせいで作物が育たないから、なんでもかんでも値上がりしてて、あんまり使わないでくれって言われたけど、これくらいなら大丈夫でしょっ」
スライスされたライ麦パンが6枚、ウィンナーとジャガイモの入ったスープの皿が3つに、サラダボウルも3個トレイに乗り、フォークも3本添えられている。
最低の食材で3人の食事を作ってきたべティは、そう言えば町の出身だと聞いていた。
「神父様が言っていたんだけどね、物の値段が高騰してるのは、やっぱり橋が流されてしまたかららしいわよ〜。どうする〜?
復旧工事の目処すら立ってないらしいわ。流されてない石橋のある町まで行く乗り合い馬車も、今は休んでるらしいわよ。そりゃあ、走らせたら馬に干し草食べさせなきゃいけないけど、干し草も不足してるから、走らせないようにしてるんだって〜……」
パリパリとサラダのレタスを噛む音がする。
「じゃあ、ここに居るしかないやん〜っ」
ズズーっ。
「美味しい〜っ♪」
ソフィアも、スライスされたパンをかじってみれば、バターを塗って軽く炙った物で、ライ麦の芳ばしさが増している。
「一応、教会にはある程度の蓄えはあるけど、中央に物資の配達を頼であるとは言え、ヤバイかもしれない、とドレファス神父様は言ってたけどね…。という訳で、シャンティエにいる間は、私が料理を作るから、ソフィアとルゥの二人で、どうするか考えてちょうだいねっ!」
食事が終わると、べティは食器を片付けてまた炊事場に戻っていった。
夜も更けて、ソフィアとルゥはあーでもないこうでもないと話し合い、そして、最後にたどり着いたのは、やはりシャンティエに留まるしかないという結論だった。
数日の間シャンティエに留まるという事は、もしかしたら、近くの貴族の館に逗留してる筈のベリル様と再会できるかもしれない。そんな淡い期待を胸に秘めながら毛布に潜り込んだソフィアであった………。
その頃執務室のドレファス神父も、3人の夜食に使われた分で現在の備蓄分を、あと何日間持つか計算して割り出して、頭を悩ませていた。独りなら、一ヶ月以上は大丈夫な筈の食糧が、あと数日しか持たない計算なのだ。人数で言えば、一気に4倍になったのだから、当然である。
先程、扉が開く気配がして、廊下をそっと見てみればべティと言う、料理をが得意だと言っていた娘の後ろ姿が見えた。食器を下げて洗いに行くのだろう。
彼女に、シャンティエの食糧難事情を話しておいた方が言いかもしれない。
「やぁ、後片付けかい?残りの2人は何をしてるのかな?」
炊事場入口に立って、べティに話し掛ける。
「2人なら、多分礼拝堂で祈りを捧げてるわよ。堅物のソフィアがいるからね〜。」
「ソフィア君かい?確かに身
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