空の王者、古龍と戦う
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
神の国、スカイピア。この瞬間にこの名を聞いたとして誰もそれに異議を唱えようとする者は居ないだろう。眼下にて神々しくもありながらも幻想的、優雅な姿をした存在がその証明となっていると誇張しているかのようだった。天より差し向けられた神の使い、もしくは神自身あのではないかとすら感じてしまう圧倒的且つ絶対的な存在感にレウスに抱えられている二人は目を奪われた。美しくも気高く輝きを放つ体毛は見る者を魅了してしまう。だが一人、レウスだけは違った。何故あんな存在がいるのかと歯軋りをしてしまっていた。
「(冗談きつすぎるぞ……なんで、なんで古龍がこんな所にいやがんだ……!?)」
最早神の世界の住人とも思えてしまう程の存在の名はキリン、リオレウスなどと同じくモンスターとして扱われている生き物ではある物のその力は最早人智を遥かに超越してしまっている。飛竜であるリオレウスとは明らかに格が違う存在、古龍種に属する龍。その外見から龍とは思えぬが古龍その物自体が龍という物とかけ離れている。
「レウスさんあれって……?」
「兎に角、こっちに敵意を持ってるのは明らかだな……」
「でも凄い綺麗だな」
「(内面も綺麗だったらいいんだけどな……)」
古龍とは非常に長寿で特異な能力を持ち他とは一線を画するモンスターの総称である為容姿は然したる問題では無い。生態、形態共に極めて異質でありつつ不明瞭であるがどの古龍もいずれも天災に匹敵するほどの力を持つとされている。勿論、目の前にいるキリンとて例外ではない。古龍 キリンが持つ能力、それは―――
「っ!!危ねえ!!!」
キリンが天に向かって嘶きを上げようとした時、周囲の空気がバチバチとした張り詰めたような物へと変貌しレウスの全身を突き貫けるような電流が走った。本能が打ち抜かれるような脅威、全身が逆立つかのような震えを感じ二人を抱えてその場から飛び退いた。この行為が僅かでも遅れていたならば3人はやられていただろう。天へと上げられた嘶き、それによって巻き起こった事象、それは―――落雷であった。
「キャアア!?か、雷!!?」
「く、雲ってもねえのに!?快晴なのになんでだ!!?」
天から降り注いで行く雷、それはまるでレウス達を裁く神の意図のように追尾するように落ちていく。キリンが古龍として認識されている理由、それが自在に雷を操る力である。例え快晴であったとしても自らの意思で雷を落とす事が出来るという力を宿しているモンスター、そしてこのキリンという存在は荒々しく攻撃的な性格でもあるのだ。
「やろぉふざけんなぁ!!」
竜頭へと変化された腕を突き出し火球を打ち放つレウス、直撃すれば軍艦ですら無事でもすまないような火球が向かって来ているのにも関らずキリンは動じず軽く嘶いた時、火球を貫く雷撃が落ち火球を散らし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ