巻ノ九十三 極意その三
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「それが出来たのは見事、そしてじゃ」
「そのうえで、ですか」
「それが出来たからにはな」
「その空気投げもですか」
「すぐに出来る様になる」
今の技もというのだ。
「あと少しでな」
「では」
「うむ、もう一度やってみるぞ」
「はい、それでは」
二人で空気投げの修行もした、他の技もだ。望月は雪村と共に激しい修行を続けこの空気投げもまさにすぐにだった。
空気投げが出来た、熊をそうした。それを見てだった。
「見事」
「確かに」
立花も幸村も言った。
「出来たな、今」
「見事だった」
「はい、こうするのですな」
望月も技の後で言った。
「空気投げは」
「熊に出来たならな」
立花が言ってきた。
「それならじゃ」
「人にもですか」
「出来る」
そうなるというのだ。
「だからな」
「はい、これからはですな」
「より確かにすることじゃ」
空気投げをというのだ。
「わかったな」
「はい、この技も」
「そして気じゃが」
立花はこの話もしてきた。
「先程見たが」
「如何でしょうか」
「そちらもじゃ」
「あと少しですか」
「百歩離れていてもじゃ」
それでもというのだ。
「岩を砕くことが出来る」
「そうなりますか」
「うむ」
「では」
「まさにあと少しじゃ」
「では」
「励むのじゃ」
こう言って立花も共にだった、望月そして幸村と汗をかいた。そして彼が言った通りにこの時からすぐにだった。
望月は免許皆伝となった、立花はこの時笑みを浮かべて言った。
「よくやった、これでじゃ」
「はい、それがしはですな」
「拙者から教えることはない」
「免許皆伝ですな」
「そしてじゃ」
望月にだ、立花はさらに言った。
「もう言っておるが」
「はい、これに安心せず」
「これからも修行に励むのじゃ」
こう言うのだった。
「よいな」
「承知しております」
「御主達の歩む道は厳しい」
「免許皆伝は目標ではありませぬ」
「ならばじゃ」
「これからも己を鍛えていきます」
「そうせよ、そしてその戦見せてもらう」
立花は望月に強い顔でこうも言った。
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