第1章桜小路が太陽照らす
桜小路が太陽照す1
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「じゃあ行ってくる」
遊星はりそなに言ったが「はい。せいぜい正体バレしないように気を付けてください。来年になったら私もおいかけますので」
今日から僕は、カイト君の元で暮らすことになった。本格的な使用人生活の始まりだ。
それまでに家事全般は不足なくこなせるようにならないと。カイト君がサクラメントの仕事でいない間お客様の対応も僕が引き受けるわけだし。
その後銀牙屋敷出てカイト君の執事長であるクロウさんがいつもどおりに「いってらしゃいませ大蔵遊星様」と言って遊星は新宿にまず向かった。
そうなんだ。りそなの言う通り、僕は使用人になるため、このハイセンスな道を女の子の格好で歩いてるわけじゃないんだ。
目的を忘れないようにしなくちゃいけない。どんな職種でもいいから、僕は服飾に携わる仕事をしたい。販売員……で終わるのはちょっと困るけど。
夢を大きく持つなら、この辺りにもお店を出したいな。ヒルズの中……ううん路面店がいい。その近くに住んで、自分のアトリエを持ったり……この日本でも一、二を争うファッションの中心地で。
ってそうだった。ここはオシャレな場所だ。歩いてる人たちはみんな、服も、靴も、鞄も、身に付けてるものの一つ一つに気を使ってる。
そんな中、ウィッグを着けて化粧までして、女の子の格好してる僕……周りの人と目が合わせられない。脅えてる自分は、まるで初めて東京へ出てきた地方の女の子だ。
ラプォーレの前あたりには、奇抜な格好をしている人がそこそこ居るけど、彼らは個性的なだけで、ガチの女装なんてしてる人はいない。それか、ドラァグクイーンと見間違えるほどの派手な格好をしてる男性か。
その個性的な子たちも、いま歩いてるヒルズの付近まで来ると姿を消していきモード、コンサバ、ナチュラル系のファッションをした人が増えた。今の僕は浮きまくってる。はっきり言えばヘンタイだ。
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