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大淀パソコンスクール
節目の日
昼2
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ール先輩が見守る中、神通さんは構成比の項目を選択し、『条件付き書式』の『アイコンセット』の項目にポイントしていた。

「先生、自分で条件を設定する場合は、『その他のルール』をクリックでしたよね」
「その通り。さすが俺の太陽」
「ありがとうございます」

 ……。

 ……あ、ソラール先輩がこっちを振り返ってる。

「ニヤニヤ」
「カシワギ。なんだその何かいいたげな顔は」
「いやいや先輩、授業を進めなきゃ。ニヤニヤ」
「ンガァアッ!?」

 盛大に鎧兜と鎖帷子の音を響かせて、ソラール先輩は椅子から転げ落ち、どちゃりと倒れ伏した。おもしろーい。先輩をからかうっておもしろーい。

「先生……ここまで来たのですが……」

 自身の太陽、神通さんの悲壮な声をきき、ソラール先輩はむくりと起き上がる。そしていつもの珍妙な歩き方で盾を構えながらのそのそと神通さんに近づき、画面を覗いた。ついでに俺も画面を覗き込んでみる。条件付き書式の設定ウィンドウが開いているが……ここ、ちょっと設定が込み入ってるんだよね。

「上出来だ神通。あとは矢印の表示設定だけだな」
「はい。矢印の設定は出来たのですが……その、数値の設定がよく分からなくて……」

 条件付き書式『アイコンセット』の設定は、こちらで数値を設定してあげることが可能だ。だがそのためには、数学記号の『>』『<』『=』の意味をしっかり把握しておかなければならず、そこがちょっとしたネックとなる。

 今回でいえばプラス20%以上が上向き矢印なのだから、上向き矢印の条件『>=』の部分を『0.2』で、『種類』を『数値』に。逆に下向き矢印の項目は『>=』の部分を『0』にしてあげる必要がある。

 さらに今回はひっかけとして、値がパーセントであることに留意しなければならない。見たまんま『20』で設定してしまうと、それは間違いだ。キチンと『0.2』で設定しなければ……

「神通、それぞれ種類を『数値』とし、あとは数値の部分に、それぞれの条件となる数値を入力すればいい」
「……それだけでいいのですか?」

 え……せ、説明それだけ?

「ああ。貴公はどうにも難しく、大げさに考えすぎるきらいがある。確かに数学記号の意味を把握することも重要だが、その前に、数値を入れる項目がそこしかないのだから、まずはそこに、数値をそのまま入力してみればいい」
「なるほど」
「結果がずれていれば、その時に数値を変えればいいのだ。一度間違えたぐらいで、偉大な太陽は我らを見捨てたりはしない」

 ……なるほど。確かに数値を入れるところなんてそこしかないわけだから、考えてうんうんうなるぐらいなら、さっさと入力して結果を見てみた方が早い。確かに唸って路頭に迷うよりは、建設的でいいかもしれない。

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