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長門有希のエラー
長門有希宅訪問
第1章 : 私のナカミ
長門有希のエラー 第2話
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なんでお前は感情が搭載されなかったんだ?」

「情報統合思念体は観測するにあたり、必要のないものだと判断され、私には搭載しなかった。」

そんなの………長門は、長門の気持ちは……。

「早く、食べて。冷めてしまうから…。」

「なあ。」

「何?」

長門は相変わらず、液体ヘリウムのような黒い瞳を俺に向けた。

「お前は俺が死んだら、悲しいか?」

「分からない。私のような、対有機生命体には死の概念がよく理解できないから。」

「そうか。」

こいつは、情報統合思念体とやらに作られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドなんたらかんたら。だったよな。なら、質問を変えよう。

「長門は俺がいなくなったとしたら、寂しいか?」

「分からない。寂しいがなにか、よく分からない。ただ、いなくなったとしたら、私はあなたを探す。それが観測対象に危害を及ぼす可能性があるならば、尚更探す。」

ダメだ。意味を履き違えている。

「観測対象とか関係がなかったとしたら、長門は俺を探すか?」

「探す、と思う。」

「そうか…。」

やっと、まともな返答が返ってきた。でも、意外な言葉が帰ってきたな。こいつは、なんだかんだで俺を信頼してくれてる、というか、友達だと思ってくれているのか。

「……さま。」

いろいろと考えている間に長門は食べ終わったらしい。

「長門、風呂入ってきたらどうだ?」

「一人で夕飯を食べさせるわけには行かない。」

「そ、そうか……。」

「そう。」

「………。」

「………。」

無言。

「もうすぐ、私は情報統合思念体によって、書き換えられる。」

「え?」

俺は耳を疑った。
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