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魔術師ルー&ヴィー
第一章
XIX
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の階級は第六位である。六位と言えど、第三位から第九位までは然程差があるわけでなく、かなりの実力があると言える。
 要は、第二位と第三位の差が大き過ぎるのである。それと言うのも、第一位であるコアイギスが直接弟子にしたのはルーファスただ一人であり、他に弟子がいないこともあるだろう。
「何で…だと?今、王都は大騒ぎだ!大妖魔二体の封印が解かれ、その大妖魔二体の力が共に消滅したのだ。これが騒ぎにならぬ訳が無かろう!」
「いや…騒ぐこたぁ前提として無ぇだろ?んな大袈裟な…」
「大袈裟などではない!コアイギス様ですら消せなかったの妖魔が消えたのだ!確り説明のゆく経緯を話してもらおうか!」
 ルーファスがうんざりしながらヴィルベルトを見ると、もう魂が抜けた様にポカンと口を開いたまま椅子に座っていた。相当ホロヴィッツに嫌味なりを浴びせられたのだろう。そうして…延々と説明を繰り返していたに違いなかった。
「そんじゃ仕方無ぇ…初めっから話すぞ。」
 そう言うや、ルーファスはその場に座り込んで話始めた。それこそ全てであり、朝日が昼の陽射しに変わっても未だ終らず、その日が少し傾きかけた頃にやっと終わったのであった。
 しかし、最後のグスターフとシセルが消え逝く場面に入ると、ホロヴィッツは堪え切れずに涙を流していたのであった。
 彼はルーファスに突っ掛かりはするが、意外と情に脆い人物なのである。
「そうか…。では、もうこの地に邪気が蔓延することはないのだな?」
「そいつは俺とウイツが保証する。」
 そうルーファスが答えると、ウイツがルーファスの横に立ってホロヴィッツへと付け足した。
「そうだな。もう一度ルーにそのニコラスのサファイアを使って浄化してもらえば、自ずと大地は蘇るだろう。そうすれば、遠からず動物も帰ってくるだろうしな。」
 それを聞くや、ホロヴィッツは立ち上がって「私は帰る。」と言った。どうやら王への報告には充分と判断した様である。
 そして立ち去る前にルーファスへと振り向いて言った。
「今までの話から察するに、お前には未だやり残したことがあるようだ。爵位の関わる人物には出来る限り伏せておく。尤も、そればバーネヴィッツ公が誤魔化されることだろうから、余計なことは言わないがな。」
 ホロヴィッツはそこで一旦言葉を切ると、表情を硬くしてルーファスに言った。
「しかし、私はお前の態度を許しはしない。バーネヴィッツ公とコアイギス様のお気に入りだからと言っていつまでも好き勝手しているとは。その点は王へ進言しておく。」
 そう言い終えると、ホロヴィッツはそのまま振り向くことなく立ち去ったのであった。
 彼の姿が見えなくなって、やっとヴィルベルトの生気が戻った。そして、未だ泣きそうな表情で師へと言った。
「師匠…僕、あの人嫌いです…。」
「まぁ
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