第一章
XZ
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見れば、それは東に些か傾いており、いつ倒壊しても不思議ではなかったのである。
「さて、私は妻を迎えに行く。お前達、一つ約束してほしい。」
「何をだ?」
グスターフを見てルーファスは不思議そうに問った。そもそも、ルーファスは共に乗り込むつもりだったのである。
そんなルーファスに、グスターフは口調を強めて言った。
「ここは魔術師とて危険だ。いつ倒壊しても不思議ではないからな。修復・復元の魔術もあるが、ここまで朽ちれば力の消耗も激しい。故に、私一人が入る。私が出て来た時、私へと解呪の魔術を施してほしいのだよ。聖ニコラスのサファイアとラファエルの涙があるのだから、充分に発動する筈だ。」
それを聞いたルーファスは、その目を見開いて言い返した。
「お前、そんなことしたら…」
「いや、良いのだ。」
ルーファスの言葉を遮り、グスターフはそう言ってそのまま塔内へと赴いたのであった。
三人はただ、彼の後ろ姿を見送るしか出来なかった。
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