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魔術師ルー&ヴィー
第一章
XU
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 女公爵がシュテンダー家へ赴いてから六日が過ぎようとしていた。
 ルーファスらはその間、周囲にある村や町などに出向いて情報収集していた。
 その合間の時間を使い、ルーファスは弟子であるヴィルベルトの訓練も同時に行っており、暇をもて余していた訳ではなかった。
 三人がいた場所から一番近いリッケの村は、村とは言え規模は大きく、必要な物資を揃えるには十分な村であったため、そこにはウイツが何度か買い出しと情報収集に赴いていたのであった。
 その村も例に漏れず、あのファルケル崇拝が盛んであり、あの肖像画も大半の店に飾られていた。
 ウイツは出来れば見たくはなかったのであるが、店という店に飾られていては仕方無いと観念はしていたのであるが、はっきり言ってうんざりしていた。
 ルーファスは幾つか別の小さな村へヴィルベルトと赴き、わざと宿や酒場などに入って情報収集をしていたが、これはファルケル崇拝がどれ程浸透してどれ程の影響を与えているかを調べるためであった。
 その結果、貴族の力が強く及んでいる村ほどファルケル崇拝は希薄になっており、その逆、つまり貴族があまり熱心に介入していない村は盛んにファルケルを崇拝していたのであった。そこはつまり、あまり豊かとは言えない村であり、不満や鬱憤が蓄積していた村なのであった。
 三人は夜に情報交換をし、粗方ファルケルの戦略は理解出来たのではあるが、やはり理由は掴みかねていた。
「そろそろなんだがなぁ…。」
 ヴィルベルトの訓練を見ていたルーファスが呟いた。
「師匠、そろそろって…公爵のことですか?」
「そうだ。往復で五日から六日…そう考えてんだけどよ…。」
 そう言ったルーファスの顔には、明らかに訓練に飽きたと言わんばかりの表情が見てとれたため、ヴィルベルトは大きな溜め息を洩らした。
「師匠…もう少し真面目に遣って下さいよ…。」
「俺はいつだって真面目だ。真面目に飽きたんだっての!ファルケルの奴がどうしてっかも分んねぇし、こんなとこで暢気にしてる訳にゃいかねぇだろうが!」
 ルーファスがそう言って立ち上がり背を伸ばすと、向こうからウイツが帰ってくる姿が見えた。
「ウイツ!何か分かったか!」
 ルーファスがそう声を上げると、ウイツは「駄目だ!」と返してきたため、ルーファスは浅い溜め息を吐いて寝転がってしまった。苛立ちを通り越して遣る気が失せた様である。
 空は青く、そこへ薄い雲が風に流されている。これから何が起こるか分からない地上と比べ、何て閑なものだとルーファスは少しばかり苦笑した。
「ルー、寝転がってないで弟子の訓練を見てろよ。」
 青空を仰ぐ友の顔を覗き込み、ウイツはやれやれと言った風にルーファスへと言うや、そんなウイツの顔を半眼で見返してルーファスは言った。
「ウイツ…そうは言うがなぁ、
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