0068話『祥鳳の追想と今』
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
! 提督達が朝早くに畑仕事をやっているのが見られてよかったと思っています」
私は笑みを浮かべながら提督にそう言う。
そして提督も笑顔を浮かべて、
「そうか。それじゃまだ野菜とかは実っていないからまだ食べられないけどできたら楽しみにしていてくれ」
「はい。楽しみにしていますね」
「任せろ。美味しい野菜を食べさせてやるからな」
そう提督は言いながらもまた畑仕事に戻っていった。
そんな提督の後姿を見ながらも私は思う。
こんな私達艦娘達の事を大事に思ってくれている提督の気持ちには応えないといけないなと…。
提督はこの世界に来る前からも私達の事を大事に育ててくれて、この世界に来てから余計親身になって成長の手助けをしてくれる。
そんな提督の人柄ゆえか特に不満を持つ子達はいないんですよね。
だから少しでも提督に恩を返せるように頑張っていかないといけませんね。
そんな事を思っている時でした。
ポツリポツリと雨が降り出してきたのは…。
なので、
「提督ー。雨が降ってきましたからそろそろ上がりましょう!」
「わかったー! それじゃみんな、後は雨に任せて撤収!」
『はーい』
それで提督達も片づけを始めているみたいである。
その作業は手慣れたものがあり様になっていますね。
提督は特にこの世界に来る前はこれといった趣味は他にはなかったそうですから畑仕事がお気に入りだそうです。
それで私も傘を差してゆっくりと食堂へと向かっていきました。
向かう道中で瑞鳳が少し急いでやってきて、
「祥鳳! どうして起こしてくれなかったの!? なんとか間に合ったけどもう少しで朝ご飯を寝過ごしちゃうところだったんだよ!」
「瑞鳳がお寝坊さんなのが悪いんですよ」
「そんなー…」
それで残念がっている瑞鳳の姿が可愛らしく思いながらも、
「瑞鳳。髪がまだぼさぼさですよ。今治してあげますね」
私は持っていた櫛で瑞鳳の髪を研いであげました。
それで瑞鳳は少し気持ちよさそうな表情を浮かべていました。
どうやら嬉しいみたいですね…。
しばらく研いであげながらも瑞鳳は少し名残惜しそうに「もういいよ」と言って梳かした髪をいつもの布で縛っていました。
ああ、たまにはそのままの瑞鳳のままでいても罰は当たらないのだから縛らなくてもいいのに…。
そんな事を思いながらも強制しちゃいけないんだろうなと自制してなんとか言葉には出さないですみました。
「うん、よし。ありがとね祥鳳」
「いえ、瑞鳳がよかったなら私も嬉しいわ」
「うんうん。祥鳳の髪梳きは気持ちいいんだよ。私だけの特権だね」
「もう…。あまり恥ずかしいから言いふらさないでね?」
「わかってるよー。それじゃ祥鳳、食堂にいこっか」
「はい」
それで私と瑞鳳は食堂
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ