責任とります
朝
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頑なに拒否してたっけ。ソラール先輩と一緒にいた神通さんを気遣ってたのか。あのアホにあるまじき気遣いだ。でも、俺が買い出しに出ている間に、二人で話をしてたとは驚いた。アイツ、そんな話を全然しなかったから。
「何か言ってました?」
「すごく辛そうな声でしたけど、『せんせーが診てくれるから大丈夫だよ。だから神通は気にしなくていいからね』って」
「ふーん……」
「姉さん、私には来て欲しくなかったみたいだったので、私もカシワギさんのご好意に、甘えさせてもらいました」
そう言って、神通さんはくすくすと笑う。最近、俺に対してよく見せる、意味深な微笑みだ。その意味を問いただす勇気は俺にはないが。
二人で、居間へと続く引き戸を見る。眠れる夜戦バカは今、この引き戸の向こうで、スースー寝息を立てて気持ちよさそうに寝ている。まさか自分がいる部屋の隣で、自分の妹と先生が、自分の話をしているだなんて夢にも思ってないだろう。
「……カシワギ先生」
「はい?」
居間の方から目を離さず、神通さんが俺に語りかける。カーテンの隙間から差し込む光が強くなってきた。この調子でお日様が照っているのなら、今日は暖かい一日になるかもしれない。
「冷蔵庫の中、気付きました?」
「へ?」
はて? 昨晩から何回か冷蔵庫の中は覗いたが、不審なものなんて何かあったっけ? 俺は忘却の彼方から記憶を必死に呼び戻すが、それらしい不審物は思い出せない。
「……何か変なものでもありましたっけ?」
「変なものというわけではありませんが……」
必死に思い出そうとするが、まったく見当がつかない。神通さんは、そんな俺を微笑みながらしばらく見守り続けたが、やがて答えが出ないと諦めたのか、苦笑いを浮かべながら答えを教えてくれた。
「……あずきがありませんでした?」
「ぁあ、そういえばありましたね」
あの、ヨーロッパの片田舎のおばあちゃんがジャムを詰めてそうな瓶の中に、そういえばあずきが入ってた!
「それがどうかしました?」
「何も思い当たりませんか?」
うーん……正解にたどり着いたと思ったのだが、神通さんの意識では、答えへの道筋は間違ってないものの、正解にはたどり着いてないようだ。腕を組み、頭を傾け、懸命に考える。自分の記憶をたどり、あずきで連想出来るものを探す。んー……あずき……あずきといえばあんこ……んー……
……あ。
――おいしいですよ! すごくおいしい!
お店で食べるものよりも、ずっと美味しいです!!
――ありがとうございます。……私も、よく出来てると思います
そういえば少し前、神通さんがおはぎを作ってきてくれたっけ。
「おはぎですか?」
「はい」
どうやら俺の推理力が導き
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