第二十一話
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うのは冗談だが。
「………分かりました。教えてください。」
春雨は観念したように軽く頭を下げた。
「それじゃ、昼まで時間あるし、さっそく始めるとするか。」
「は、はい!」
俺と春雨は隣同士の席に座り、参考書を再び開いた。……春雨は、気のせいか、笑っているように見えた。
―二時間後―
「…っつー訳で、命令文は英語と同じように文の頭に動詞を持ってきて、最後にビックリマークを付けるだけだ。」
勉強を教え初めてそれなりに時間が経った。
あれから俺と春雨は休憩もあまり取らずに勉強していた。
もしかしたら学校に通ってた時より勉強してるかも、と考えたりしていた。
「なるほど………。」
春雨は俺の言ったことをノートにメモっていた。教えてもらっている方にやる気があると、教えがいがあると言うのは本当らしい。
…………まぁ、実際は俺が教えさせて貰っているとでも言うのだろうか。
「それにしても、教えるのうまいですね…………どこで習ったんですか?」
春雨は隣に座っている俺に質問してきた。
「一応友達と一緒に、独学で。」
つまり、悠人と拓海の事だ。
「凄いなぁ……それで、どうして勉強しようと思ったんですか?」
なんか高校のオープンスクールみたいな感じになってきた。
しかし……………。
「あー………………まぁ、興味本位だよ。なんかの役に立つかも知れないしさ。」
本音を言ってしまうと、単純に「ドイツ語って厨二っぽくてカッコよくね?」という馬鹿げた理由からだ。
そんな遊び半分な理由を、ちゃんとした理由で勉強しようとしている春雨に話せる訳もなく、そう誤魔化した。
春雨は、「へぇ、そうですか。」と、納得してくれたらしい。
……そう言えば。
「そうそう、春雨は木曾についてどれくらい知ってるんだ?」
俺は時計を見て、もうそろそろ昼飯かなという時刻になってきていた。だから、勉強を終えながらそのきっかけに春雨にそう聞いた。
「えっと………木曾さんが『魔神木曾』っていう二つ名が有ること、たった一人で敵艦隊を壊滅させることができること、位しか分かりません……すいません。」
「いや、別に謝る必要は無いよ。これからそれを調べる訳だしな。」
と、俺は立ち上がった。
「昼飯食いに行くか?時間もいい感じだし。」
春雨は時計を見て、「えっ?」と声を出した。
「もうこんな時間ですか…………分かりました。」
と、春雨は筆記用具やノートやらを片付け始めた。
「んじゃま、行くか。」
俺は春雨が片付け終わってから、部屋の出口に向かって歩き始めた。青
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