第一章
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あまつさえ他にも金を集めてこいなどとは以ての外である。それを何も考慮せずに行った目の前の二人はどうかしているとしか思えないが…。
「だが、あのお方は奇跡を起こされるのだ!神に選ばれしお方なのだ!」
ルッツは未だファルケルを信用したいのかそう言うが、ルーファスは正直、もううんざりしていた。
「馬鹿か?本当に神に選ばれたんならよ、金なんぞなくても、どうにかなるってもんじゃねぇのか?金金言ってんのはな、金貸しかボンクラ貴族か詐欺師だっつぅの!」
ルーファスがそう怒鳴ると前の二人は俯き、もう何も言い返すことはなかった。何か思い当たることでもあったのだろう。
「分かったらな、あそこで寝てる奴等を縛り上げとけ。俺達は急いでんだよ。後の始末はてめぇらでやっとけ。ただし…。」
ルーファスはそこで言葉を切り、エッケホルトとルッツを睨み付けてから後を続けた。
「また同じことがあった時、お前らの顔があったら…有無を言わず殲滅させてもらうかんな。」
「は、はい!」
エッケホルトとルッツは真っ青な顔に冷や汗を浮かべてルーファスの前から離れ、昏倒している山賊崩れ共を縄で縛り上げたのであった。
それを見届けたルーファスとヴィルベルトは崩れ落ちた土砂や岩を魔術で片付け、そのまま馬車に乗って立ち去ったのであった。
だがその後、ルーファスらがそこで会った二人の魔術師の姿を見た者はいない。
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