第一章
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ろであり、これといって力があるようには見えなかった。
「魔術師と山賊擬きが何してんだ?」
ルーファスがそう言った時、男共がざわめいた。
「な…なぜ魔術師がいると?」
目の前の男が顔をひくつかせて言った。どうやら分からないと考えていたのだろうが、それをルーファスに見破られて狼狽している風である。
「そりゃ分かるさ。ってか、お前とその後ろの奴だろ?魔術師は貴族階級の奴にしかその力は受け継がれねぇ。お前、どこの土地の奴だよ。」
「黙れ!」
男は一歩後退ってそう返すと、周囲に合図を送った。すると、周囲の山賊紛いの男共がルーファスらに襲い掛かった。
しかし…。
「風よ、戒めとなれ!」
ルーファスは直ぐ様そう言うや、男共は次々に地へと叩きつけられ、そのまま動きを封じられてしまったのであった。
それを見た二人の魔術師は顔を蒼くしてしまった。
「貴様!何でそんな短い呪文で魔術を行使出来るだ!?」
「鍛練と才能だ。」
「そんなんで出来る訳ないだろうが!」
二人の魔術師は見事に声を揃えて叫んだが、ルーファスはこれといって気にする風でもなく、ただ自分の問いに答えない二人に苛立ちを覚えて言った。
「地よ、我が敵の足を捉えよ!」
すると、二人の魔術師は足の半分ほどを地面へと埋もれさせられたため、慌てふためいて尻餅をついてしまった。そこへルーファスが歩み寄って来たため、蒼い顔を強張らせてルーファスを見上げることとなった。
「よう、お二人さん。何で俺が聞いてんのに無視すっかなぁ。さて、どうしてやろうか。」
「すみません!申し訳御座いません!喋ります!喋りますから、どうか命だけは!」
二人の魔術師は暫くそう謝罪し続けたため、ルーファスは仕方無く魔術を解いて二人を解放した。
その時、今まで後ろにいたヴィルベルトがふと二人を見て、その内の一人を指差して言った。
「あなた…エッケホルトさんじゃないですか!何でこんなとこで山賊紛いなことしてるんですか!?」
「ヴィー。お前、こいつ知ってんのか?」
ルーファスは指差された男を見てヴィルベルトに問った。
「はい。以前、父と商談の席でお会いしたことがあります。確か…ゲシェンクの商人との取引の仲介の件でだったと思いますが。」
「お前…親父の商談に同席してたのかよ。」
「七歳の時から同席してましたよ?」
「…。」
ヴィルベルトの答えにルーファスは些か顔を攣きつらせつつも、直ぐに振り返ってエッケホルトなる男へと言った。
「お前、何でこんなことしたんだ?あっちでくたばってんの、山賊崩れの手下だろ?」
ルーファスの問いに、エッケホルトは「お前に話すことじゃない。」と恐々としながらも突っ撥ねたが、後ろで縮こまっていた男がエッケホルトに言った。
「エッケホルト。この方…あのルーフ
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