第81話 《赤眼》のザザ
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後
銃士Xを倒したオレは、シノンが待機しているであろう場所に向かって急いでいた。恐らく死銃《デス・ガン》の纏っているマントは透明マントの機能を持っている。その機能を使えば《サテライト・スキャン》にも見つけられずに堂々と動けるし、油断しているライバルに不意打ちを仕掛ける事が出来る。他の出場者が狙われないか心配だけど、まずはシノンの所に行かないと。そう思い辺りを見渡しながら移動していたらーーー見つけた。
「シノ・・・ッ!?」
彼女の名前を呼ぼうとしたが、目の前に広がった光景に口を閉じる事を余儀なくされた。そう、麻痺をくらって地面に倒れているシノンに拳銃を向けるーーー死銃という不吉なツーショットの光景に。オレは死銃がシノンに向けた拳銃の引き金を引く前にーーー
「やめろォォォーーー!!!!!」
『ッ!?』
《オーバーロード》を発動して2人の間に割り込み、シノンを庇い銃弾を左手で受け、剣にビームの刀身を展開し、死銃の腹を大きく斬る。でもその一太刀で撃破する事は出来ず、死銃は後ろに大きく跳び距離を取る。
【ライリュウ・・・やはり、お前は・・・本物、だったか・・・】
「ああ、オレは本物だ。昨日はしらばっくれて悪かったな、死銃。いや・・・」
あえてこの男の名前を呼ぶならーーー
「殺人ギルド《笑う棺桶》幹部・・・《赤眼》のザザ!!」
【俺の、名を・・・覚えて、いたか・・・】
この男のかつての名前はザザ。SAO当時に赤い眼の骸骨のマスクと細剣カテゴリの武器・エストックを装備していて、それが理由で『《赤眼》のザザ』と呼ばれ恐れられた元《笑う棺桶》幹部のプレイヤーだ。オレが復讐心に囚われていた頃、ラフコフの情報を片っ端から集めてたから、オレはこの男を知ってる。
一先ず、今すべき事はただ一つーーー
「シノン、逃げるぞ!!!」
「あっ・・・」
オレは麻痺しているシノンと《へカートU》を抱き上げ、もう一度《オーバーロード》を発動してこの場を立ち去る。ザザはオレたちを逃がすものかと拳銃をホルスターにしまって肩にかけたライフルを構えるが、それが終わる頃にはオレたちはもう視界から消えている。
「ッ!!!」
発動から10秒くらいして、一瞬だけ強い頭痛に襲われた。オレはこれ以上脳に負担をかけないように《オーバーロード》を解除する。
「もう、いいよ・・・おいて行って・・・あんた、苦しそうじゃない・・・」
「バカ言うな!!お前をおいて行ったら・・・絶対に後悔する!!!」
どれだけ頭が痛くても、どれだけ苦しくても、それを理由にシノンをおいて逃
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ