第81話 《赤眼》のザザ
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げない。そんなことしたら死ぬほど後悔するーーー後悔ほど愚かなものはないから、そんなこと絶対にしない。
オレは息を荒くしながら走ってザザから逃げていたら、レンタルバギーの店を見つけた。そのバギーはオレがシノンを後ろに乗せて総督府まで走らせた3人乗りのバギーが二台。そして機械仕掛けの馬ーーーロボットホースが一頭置いてあった。奴から逃げる逃げるには、これ以上ない助けになる。
「馬は無理よ・・・踏破力が高いけど、扱いが難しすぎる・・・」
シノンの言うとおり、オレはロボットホースではなくバギーに乗ることにした。そもそもオレは馬には乗ったことないし、そんな慣れない方法より得物を選ぶ。後部座席にシノンを座らせ、その隣に《へカートU》を立てかける。そしてオレは運転席に座りバギーのエンジンに火をつけ、レンタルバギーショップから少し出た所まで移動する。
「シノン、ライフルであの馬を破壊してくれ」
「え・・・分かった。やってみる・・・」
あのロボットホースは扱いが難しくても、使いこなせていればばより速く走れるかもしれない。そんな物に乗ってこられたら、いずれ追いつかれる。シノンもそれを理解して、《へカートU》を構える。あとはシノンが引き金を引くのを待つだけーーー
「え、何で・・・!?」
「どうした?」
「引けない・・・何でよ!?トリガーが引けない!」
「ハァ!?」
シノンの指が固まって、引き金を引けなくなっていた。だったらオレが馬を直接斬ろうと思ったがーーーザザの奴が追いついてきて、とてもそんな余裕はない。
「シノン、馬はもういい。掴まれ!」
オレはシノンの手を腰にまわして、バギーを走らせて奴から逃走する。
「シノン、気を抜くな。オレが思った通りだ」
オレが考えていた事は完全に当たってた。ザザはさっきのレンタルバギー屋から、オレ達に追いつくためにーーーオレが乗るのを諦めたロボットホースの上に乗ってきた。しかもかなり馬に慣れてる。このままじゃすぐに追いつかれる。
「逃げて!もっとスピード出して!早く逃げて!!」
「分かってる!!」
バギーの後部座席からオレの腰に手を回しているシノンの言う通り、もっとスピードを上げて走ってはいるけど、ザザと距離を離す事は出来てない。そろそろ最高速度まで加速するのに、どんだけ馬に慣れてんだよ、ザザの奴。オレがそんなことを考えていたらーーーザザが放った銃弾が、オレの顔の左横を通り過ぎた。
「いやァァァァァァ!!!」
「!?」
オレの後ろでシノンが、恐怖のあまりにらしくない声を上げているのに少し驚いてしまった。こんな状況に立たされたんだ、それは仕方ないとは思ってる。でもーーー何なんだ?この既視感は。
そう思いつつも、ザザが
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