暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜白と青の軌跡〜
託された願い
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あれから私はライ君から距離を置いてしまった。

攻略のペースは変わらず順調に進み、明日は遂に最後のクォーターポイントの第75層の攻略だった。

もちろん、私達のギルド『疾風迅雷』も参加する予定でライ君も。

何故、疾風迅雷なのかと気になる人もいるとも思う。

正直私も最初は拒否してたんだけど、キリトくんがこれがいい!しか言わないので皆で折れた。

「75層……」

「アースナ。」

「アースナさん。」

後ろから聞き慣れているギルドメンバーの声がした。

私は振り返って返事をした。

「どうしたの?リズ、シリカちゃん。」

「これ、お守りよ。」

そう言ってリズは私に何かを送ってきた。

「ネックレス?」

「そう、私とシリカでインゴットを取りに行って知り合いに頼んでオーダーメイドで作ってもらったの。」

「アスナさんと言ったら赤色ですから!」

「2人とも……」

私は優しい2人に礼を言って首に付けた。

「ありがとう、嬉しいよ。」

「無事に帰ってくるように!ってね。」

「アスナさん、これ。」

シリカちゃんは私の手に何かを預けた。

「!?、これって…!」

「えぇ、アイツの分よ。」

「青色の宝石、見つけるの大変でしたけどね。」

シリカちゃんとリズは笑顔でそう言うと。

「渡せるタイミングで渡しておいて。」

「え、でも……」

「お願いします、アスナさん。」

私はギュッとそのネックレスを胸の前で握って、しっかりと頷いた。

「うん、必ず渡すね。」









そうして始まった。

第75層攻略────。

「よぉ、ライ。」

「……クライン、エギルか。」

「お前も来てたんだな。」

「あぁ、当たり前だ。」

ライ君はそう言って、スタスタと先に歩いていってしまった。

「変わった……な。」

「あぁ、別人見てぇだ。」

私はギュッと『ランベルトライト』を握った。

隣ではキリトくんが『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を装備している。

『コリドーオープン!』

血盟騎士団の団長、ヒースクリフさんが声を発した。

それと同時にコリドーが開かれ、ボス部屋への入口に向かう。

「………何か嫌な感じ。」

「そうだな……」

最終確認をして、全員の雰囲気が変わる。

『解放の日のためにー!』

『うぉぉぉぉ!』

そして、私たちは悪魔の部屋へと入った。





中は真っ暗で何も見えない。

──目が慣れるのを待つわけには……

ガサガサ…

なにか音がした、何かと何かが擦られ摩擦が起きているような─
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