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魔術師ルー&ヴィー
第一章
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う言えば叔母上と…。」
「まぁのぅ…。ここ数年は会っとらんが。何せわしゃ、ここに居ったからのぅ。じゃが、若い時分には皆で旅をしたもんじゃて。クリスティーナとシヴィッラ以外は男ばかりじゃったが、この二人がまた男勝りでのぅ。あの頃は楽しかったもんじゃ。」
 在りし日を懐かしむように、ファルケルは目を閉じて言った。だが、それを聞いたヴィルベルトは、些か興奮ぎみにファルケルへと問い掛けた。
「仲間ってもしや…現トロッケン王トリュッツェル、ベズーフの賢者マルクアーン、そしてゲシェンクの英雄シュトゥフですか?」
「そうじゃ。ま、楽しいばかりとはいかんかったが、それでも良い思い出じゃ。」
 ヴィルベルトが語った人物は、この大陸で知らぬものはいない。
 約五十年ほど前、この大陸で大規模な魔術実験が行われた。先に話したクラウスに封じられた妖魔も、この時の実験で生まれたものである。
 その実験とは、こともあろうに悪魔を召喚し、動物を媒介に妖魔を創り出すというものであった。無論、戦力として使うつもりだったのだ。
 しかしながら、その様な人の浅知恵はどれも失敗に終わり、召喚された悪魔も創り出された妖魔も操ることは出来ず、それらが大陸中に禍を齎す結果となったのであった。それ故、戦どころの話ではなくなったのである。
 そこでそれらを倒そうとする者達が次々に現れ、その一つがファルケル率いる五人組だったのである。
 貴族でありながら剣士となったトリュッツェル・フォン・アクベスに、当時弱冠十八にしてベズーフの聖ヴィーラント学院の教授となった天才シヴィッラ・マルクアーン。次いでゲシェンクで魔術悪用を戒める運動を指揮していた魔術師アーダンテ・シュトゥフ、そしてレイピアと投剣の名手として名声を得ていたクリスティーナ・バルメンテ。最後に神聖術の使い手として第一級神聖術師の資格を得ていたマーティアス・ファルケル。この五人の強さは圧倒的で、大陸に散らばっていた悪魔や妖魔の半数近くを倒したと言われている。
 だが、この五人組が行動したのは大陸の東側であり、西側を回ったクラウスとは出会うことは無かった。
 このクラウスであるが、神聖術の大家とされてはいるものの、実はクラウスと言う名しか分かってはいない。出身地も分からず、いつ神聖術を会得したかも定かではない。この時には既に齢六十を数え、かの妖魔を封じた後、一年と経たずして亡くなってしまったのである。
「そうか。叔母上、あの時に…。」
「そうじゃ。出会った時は未だ十七じゃったが、レイピアと投剣に関しては他に追随を許さぬ実力を得ておった。」
 二人の会話を聞き、ヴィルベルトはその内容に驚いて声を上げた。
「公爵様、あの時の五人組の一人だったんですか!?」
 あまりの素っ頓狂な声に、ルーファスは眉を潜めて返した。
「煩い、ヴィー
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