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魔術師ルー&ヴィー
第一章
I
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かなりの激務である。それをこなせる知力・体力・気力があったのも、ミケルだけだったとも言われているが。
「ミケルさん。俺達をここへ呼んだってことはだ、話ってのは魔術絡みなのかい?」
「ルーファスさん。僕の方が年下なんですから、どうぞ呼び捨てにして下さい。」
 ミケルはそう言って、一旦言葉を切って考え込んだ。そうして後、二人を見て言った。
「そうですねぇ。魔術…というのとは少し違うんですが…。」
「少し…違う?で、何を頼みたいんだ?」
 ルーファスがそう言うと、ミケルはどう説明しようかと考えている風であったが、少し間を置いてから話し始めた。
「この街の北にある大聖堂…ご存知かと思いますが、半年前より夜な夜な何者かが入り込んでいる様で、度々僕のところへ報告が上がるんです。あまりにも多いため、ある時、僕は部下を連れて大聖堂へと行ったのです。大事にならぬようにと。」
 そこまで話すと、ミケルは急に声を落として言った。
「そこで…見たんですよ…。」
「見た?」
 ミケルの言葉に、ルーファスとヴィルベルトは首を傾げた。そんな二人に、ミケルはコクンと頷いて返した。
「幽霊ですよ…。」
 ミケルは真顔で言ったが、ルーファスとヴィルベルトはそんなミケルに冷たい視線を浴びせて後、スッと立ち上がって言った。
「帰る。」
「なんでですかっ!?」
 ミケルも慌てて立ち上がり、二人を止めながら言った。
「待って下さいよ!まだ話しは終わってないんですから!」
 必死の形相で、ミケルは帰ろうとする二人の前へと立ち塞がった。
 そんなミケルに、ルーファスは怒鳴った。
「もう終わりだ!大体何で魔術師に幽霊の話しなんだっての!そんなもんは神官や司祭の領分だろうが!」
 ルーファスの言い分は尤もである。魔術絡みであれば魔術師でなくば対処出来ないが、幽霊となれば逆に魔術師は専門外ということなのだ。ルーファスの言った通り、幽霊などは聖職者でなくば対処しようがないのである。
「それは承知しております!承知してはいるのですが…今、この街には神官も司祭も不在なんですよ。」
「は?聖堂や教会はあるのに、神官も司祭も居ないって…どういうことなんですか?」
 項垂れるミケルに、ヴィルベルトは不思議そうに言った。
 それもそのはず。二人がここまで来る途中にさえ、二つの教会があった。そこには司祭らしき人物もおり、信者も多数出入りしていたのである。
 それにもかかわらず不在だと言われたのだから、二人が不思議がるのは至極当然と言えた。
「お二方…先ずは座って下さい。一から順に説明致しますので…。」
 そう言われた二人は、渋々ながら座り直したのであった。
 座り直したルーファスは頬杖をつきつつ、ミケルへと問い掛けた。
「でもよぅ、確かこの街にゃ大神官老ファルケル殿が
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