序章
[2]次話
遥か遠い西の大陸に、魔術師と呼ばれる者達がいた。
魔術師は国の所有とされ、それを統べる機関が存在し、時には戦場へと駆り出されもした。謂わば強大な道具と見られていたのである。
だがある時、その力の強大さゆえ、魔術師を排除しようとする動きがあった。魔術師達はそれに抗うためにギルドを作り、ある者はその力で敵を凪ぎ払い、またある者は力を行使せぬために身を隠したという。
だが、その様な時代の中にあっても、国に属し続けた魔術師達もいた。
彼等は、国の内側から魔術師に対しての考え方を改めさせるべく、多くの策略を巡らせ、国から遠く離れた仲間達を救おうとしたのであった。
この争いは百年近く続き、それが終止した後の百年で新たな発展を遂げて行くことになる。
そもそも、魔術師とは何であるのか?
魔術師は血統である。その血筋でなくば、魔術の力を得ることは不可能なのだ。そのためか、魔術師の多くは貴族であり、国王自らが魔術師だった時代もあった。
そのため人々は魔術の力を畏れはしたが、その力が良い方へと働く時、人々は嬉々としてその力を受け入れた。魔術師が自らに富をなす者ではないことを知っていたからである。
だが、全ての魔術師が善良ではなかった。
先にギルドを作ったことは語ったが、その一つに悪名高いギルドがある。その強大な力を使い、ある時は国王さえ手玉に取っていた時代があった。
そのギルドは他にあるギルドの力より強大で、とても抑え込めるものではなかったと言われている。
たが、そのギルドを抑え込んだ一人の魔術師がいた。
彼の名はルーファス=シュテンダー。たった一人で強大な魔術師達を退け、そのギルドを瓦解させた。
しかし、その後に消息を絶ってしまい、国の功労者でありながらその没年さえ知られてはいないのである。
彼が消えてから数百年。同じ名を持つ魔術師が誕生する。
彼は後世にその名を残したが、なぜ彼が名を残すことになったのか…ここではそれを語ることになる。
[2]次話
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