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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
197 ルード・バグマン
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とした大所帯になった。

そしてプレートに広げられた料理を2/3ほど空けた頃。

(……ん…?)

淀みない歩調でうちのテントまでやって来る気配を察知した。その気配は間違いなく指向性をもってうちのテントに向かっている。知らない気配だったので顔を確認してやろうとした──が、その前に父さんがその人に反応して立ち上がった。

「これは時の人──ルード!」

父さんルード≠ニ──そして時の人≠ニも呼んだので、その人物がルード・バグマン氏なのだろうと簡単に推察出来た。

ルード・バグマン氏の格好は胸のところに大きなスズメバチが刺繍されたクィディッチ用のローブを着ていて、控え目に云ってもとても目立っていた。

「やあ、我が友アーサー! 見てみなよ、今日は絶好のクィディッチ日和だ、雲一つ無いぞ!」

「そうだな、ルード──で、こいつが三番目の息子のパーシーだ。今年魔法省に勤めはじめたばかりだ」

「初めまして、バグマンさん」

「よろしくな、パーシー」

がっちり、と父さんとバグマン氏は握手をして、それに(なら)うかの様にパーシーがバグマン氏と握手をする。

……パーシーはバグマン氏を人に好かれやすいだけ≠ニ酷評していたので、父さんと違って親バグマン≠ニはどうしても言い難いが、そこは我慢してコネクションを作っているのだろう。

その後に父さんがアニーを紹介して、バグマンさんはエイモスさんと同様のリアクションをしたが割愛。……そして父さんは、改めてバグマンさんを俺達に紹介した。バグマンさんに礼を言っておくようにとも言っていたが、バグマンさんは気にしない気にしない≠ニ手を振り、父さんを制す。

「いやいや構わんよ──それよりアーサー、試合に賭ける気は無いかね?」

「……ふむ、10ガリオンくらいだったらモリーも目くじらを立てんだろう」

(……俺も一口乗ろうか──ん…?)

父さんがちゃらちゃら、とガリオン金貨を入れている財布をバグマンさんに見せる。……俺も賭けに参加しようとしたが、俺の中で何かが引っ掛かったような感覚がした。……その感覚には覚えがあった。

前世でやっていた賭け麻雀で、最後まで金を払おうとせずに踏み倒そうとしていた奴と対面した時の感覚に近かった。自分の感覚に自信もある。

……しかしそれはつまり、バグマンさんが賭けに負けたその時は踏み倒そうとしていると云うことだ。考えたくないことだが…。

どっちにしても父さんは賭けに乗っかってしまった。もう俺の口からはとやかく言えない。……第一父さんが賭けに勝つとも限らないのだ。

アイルランドに賭けた父さん。その宿命のホイッスルは直ぐに鳴り響いた。

SIDE END
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