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【RB1】
【RB第五話】
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「義妹だからいいんです。本当に兄さんが嫌なら、私は離れますが。嫌ですか、兄さん?」

「……勝手にしろ」


 そう呟くだけのクルスに、花開く笑顔を見せた由加は。


「はい。勝手にします♪」

「むぅぅ!」


 何だか踏み込めない領域が出来た気がしてならないアリス――と、佐久間弥恵が現れ、手を叩いて注視させた。


「諸君、全員集まったようだな。これからFRBBを見てもらう。中では既にサバイバルバトルが開始されていて破片等も飛んでくるが、客席にはドーム用の電磁シールドが張られているから安全面は確保されている。各クラス毎に私に着いてこい」


 言ってドームの開閉ドアを開け、中に入る佐久間弥恵に続いてクルス等A組と続いて入る。

 防音設備が施されていても聞こえてくる鉄と鉄のぶつかる音、ライフルの発砲音、ミサイルの爆音。

 長い通路を抜けた先に広がっていたのは、ビル群一角を切り取ったバトルステージだった。

 道に散らばる瓦礫に廃車、崩れた高速道路、脱線した電車――それら全てが障害物となり、弾を防ぐ盾ともなっていた。

 ビルの向こうで爆発が見える――爆風から抜け出る一機のRBだが、アームモジュールが破壊されたのか戦闘続行が難しい状態となっていた。

 まだ肩のオプションモジュールのミサイルランチャーがあるため、全く戦えない訳ではないがここは素直に離脱が懸命だろう。


「すっげぇ……。うわっ!?」


 観客席近くで爆発――直撃を受けたRBのアームモジュールが吹き飛び、電磁シールドにぶつかって地表に落ちていく。


『チックショー! アームモジュール高かったんだぞバカヤロー!!』

『へっ! そんな高いのを着けてくるから悪いんだよ!』


 一機がもう一機を追い込む――曲がり角を曲がった先は行き止まり、そして追い付いた一機の銃口が向けられた。


『……チックショー!!』


 発砲音と共に着弾する弾丸、完膚なきまでに各モジュールを破壊され、ボディモジュールが破損したモジュールを強制パージし、戦闘続行不可能と判断された。

 直ぐ様牽引ドローンが投入され、回収していく一方では次の参加者がRBが投入される入り口から姿を現した。

 入り口は出口でもある――こうやって新たに来た機体と入れ替わるように脱出出来れば撃破数に応じてクレジットが加算される。

 獲得クレジットはドーム中央ビルの投影型ディスプレイに表示されていた。


『ヒャッホー! 出口だ出口!』


 だが出口だからといって油断してはならない。

 新たに参入したRBも狩人なのだから。

 現れた単眼仕様のRB、周囲を確認するためか怪しく光を放つ。

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