叶わない願い
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「ライ…なのか?」
先程の剣術と反応速度を見て驚いていたキリトが、その場にいる攻略組を代表するかのように少年に聞いた。
少年は剣を鞘に戻しマフラーを緩めて、顔を見えるようにした。
「あぁ、そうだよ。」
真っ白なマフラーによって隠れていた口元が見え、約半年前から行方不明だったライアの姿が見えた。
『あ、青の剣士が生きてたー!』
キリト達以外の攻略組はそう歓声を上げ盛り上がっていた。
アスナは顔を伏せて表情が見えず、クラインとエギルはホットしたかのような顔をしており、キリトは夢でも見ているのか?と言いそうな顔をしている。
「ほ、本当にライ…なんだよな…?」
「本当だよ、キリト」
俺がそう笑って言うと、キリトは涙を流した。
「ちょ!?どうしたんだ!?」
「どうしたんだってなぁ…!俺、お前が崖から落ちて……」
──あぁ……そっか。
俺はキリトの肩に手を置いて一言いった。
「心配かけた、ごめん。」
俺は、ウィンドウを動かしてキリトに見せる。
「キリト、この剣あげるよ。」
「え…?」
『エリュシデータ』
それは『アスペラーレ』と同じデザインで、魔剣クラスのレアドロップだ。
「俺にはもうあるから、さっき剣折れてたろ?LAだから、お前に合うと思う。」
そう言うとキリトは「ありがとう。」と言って、ウィンドウを操作し装備していた。
「…………。」
この状況でまだ一言も話していない人物がいた。
アスナだ。
「………アスナ?」
俺は戸惑いつつ話しかけた。
だが、アスナは俺が1歩近付くと一歩下がる。
──え?
「……アスナ?」
俺はもう一度呼んだ。
「………ごめん……なさい。」
そう言って、アスナは俺から離れて階段に向けて走っていってしまった。
「ライ…」
「ごめん、俺戻るよ。」
俺は来た道を戻った、何でかは分からないが今の俺はアスナを追いかけちゃ行けない気がする。
──何だろう……、何でこうなったんだ…?
俺は気づけば周りにモンスターで埋め尽くされ囲まれていた。
──もう、なんでもいい。
俺は剣を振るった。
まるで壊れた玩具のように
ピエロのように
何か大切なものが壊れたかのように
剣を振りかざす死神のように。
全てを壊している時の俺は笑っていた。
アスナside
どうして彼から逃げたんだろう。
自分でもわからなかった。
ずっと会いたくて、傍にいたくて、笑ってる彼の笑顔が見たかったはずなのに。
いざ彼が戻ってきてくれた、生きていてくれて助けてもらったら彼の
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