暁 〜小説投稿サイト〜
ハナビラ
アンズ〜星空凛〜
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「......まぁ、 話しかけてくれてありがとうございます。(?)、星空凛っていうんだ。よろしく......お願いします?」


凛くんが手に持つ音楽プレーヤーは"待ってて愛のうた"が流れていて、それを指摘すると、彼は嬉しそうに話し出した。


「このスクールアイドル、可愛いよね?今凛が1番好きなスクールアイドルなんだ。特に"待ってて愛のうた"っていう曲が好きなの」








〜☆〜




「ようへー君は、知っている?凛たちはあれから毎日、一緒にお昼ご飯を食べているんだよ?」



彼は、講義が始まっても耳元で話しかけてくる。余程思いである一件だったのだろうか。


「まさか君とこうして仲良くなれるなんてね。人生わかったもんじゃないねー」

心底楽しげに微笑む彼は、まるで女の子(???)のようで、時々心臓が高なってしまうことがあるから困る。


「嬉しいね?こうして趣味のことや、勉強の事を語り合える人がいるっていうのは」


勉強の事だけに関して言えば、語るのではなく、ノートを写させてもらう、の方が正しい。
『他にも友達いるだろ?』という問いに、彼は表情を曇らせてノート上にぐちゃぐちゃとシャーペンを走らせる。


「凛は......あはは。凛は、君以外に友達なんていないんだよ。高校生の時は、沢山いたんだけどね......ちょっと、色々あって。みんな離れ離れになっちゃったんだ。君は......ようへー君は、どうなの?凛から離れないで、ずっと仲良くしていてくれる?」



切なげな表情で言われると、『もちろん』としか応えられなくなる。いや、『もちろん』以外の選択肢なんて有り得ないけれど。
そう答えた僕に対して、彼はまた女の子(???)のような微笑みでにんまり笑う。



「そっか......えへへ、それは嬉しいね」




同じものが好きなのに。
同じ趣味を持っているのに。
彼は、僕とは違う何かを持っている
そんな印象を受けた。


僕と同じ場所にいるのに、
同じ世界にいるのに、違う世界を、生き方をしている。



僕は、ただ優しいふりをしているだけ。そんなことは自分自身がよくわかっている。

彼と同じになれないことがもどかしいのだ。
純粋に、楽しく生きる彼に。




こんな有害な、有毒な関係が僕らの常識を壊そうとするから。




───出会う前から、互いに好きだったものは......運命じみたものを感じる




時折見せる、女の子のような表情


凛くんは、男なのに。



......だから。だから僕は錯覚してしまうのだ
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