第十話 巨人その一
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第十話 巨人
久志と英雄は神殿があった街を後にしてだった、次の目的地である湊町に向かっていた。その湊町の名前はというと。
「サラミスなあ」
「知っている名前だな」
「海戦があった場所じゃねえか」
ギリシアの諸都市連合軍とペルシャ帝国軍の海戦である、地の利と操艦技術に長けたギリシア諸都市連合軍が勝利を収めてペルシャ軍を退けた。
「それであの神殿はデルフォイか」
「ギリシアの神託の場があった地だ」
「どれもギリシアだな」
「そうだな」
「本当にここはギリシアと北欧が混ざってるな」
「そしてキリスト教もな」
「何ていうかな」
この辺りのことを頭に入れてだ、久志は言った。
「欧州だな、完全に」
「この島はな」
「ああ、それも何かな」
「何か、何だ」
「そんな筈はないけれどな」
それでもとだ、久志はここでこんなことも言った。
「アトランティスとかな」
「そんな感じがしたか」
「どうもな」
「アトランティスか」
そう聞いてだ、英雄は今度はこうしたことを言った。
「あの伝説の大陸だな」
「国か?」
「これは浮遊島だが」
「それでもな」
「アトランティスか」
「あの大陸を連想したな」
そうなったというのだ。
「そうだな」
「ああ、どうもな」
「それなら俺がこれから行く島はだ」
東のその島はというと。
「ムー大陸か」
「そっちになるか?」
「そうかもな」
「アトランティスにムーか」
「どちらも伝説だ」
プラトンがその書に出してから今に至るまでその実在が議論になり続けている、諸説があまりにも多く誰がどの説を言っているのかを把握するころさえ困難な状況に至っている。
「あくまでな、しかしだ」
「しかし?」
「それは俺達の世界でのことでだ」
「こっちの世界では違うか」
「この島をアトランティスと思うならだ」
どうかとだ、英雄は久志に言った。
「それならそれでいいかも知れないな」
「そうなのか」
「少なくともこの島は大陸位の大きさはある」
「みたいだな、相当にでかいな」
「そしておそらく東の島もな」
こちらもというのだ。
「それだけの大きさの様だしな」
「どちらも大陸か」
「そしてその大陸からだ」
「下のやけ広い世界がか」
「海になっている、その海から魔神を倒して世界を引き出す」
「アトランティスの伝説と逆だな」
この大陸は傲慢さ故に神の怒りを買い海に沈められたという、ただし沈められたことについてさえ諸説がある。
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