責任とります
深夜1
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とアンダーラインによって、そらぁもう大変なことになっていた。俺が『これは覚えたほうがいいぞ』と言った箇所には、丁寧に『これは覚えたほうがいいらしい』とか、細かい注釈もついている。かな打ちとローマ字打ちの切り替え方法のところなんか、『かな打ちストの必須技術』だなんて、一言一句俺が言った通りのことが書き込んであった。あれは俺の経験則から来ることだから、別にそこまでしっかりと覚えなくてもいいんだが……。
川内の寝姿に目をやる。今、気持ちよさそうにスースー寝息を立てて眠りこけてるこのアホは、授業が終わる度に、こうやって家に帰って、一人で復習していたのか。俺の一言一言を思い出し、こうやってテキストにみっちり書き込んで、授業を振り返っていたのか。
「いつもおつかれ。川内」
パソコンが立ち上がった音が聞こえ、俺はテーブルとベッドの隙間に戻った。川内の寝顔を覗く。安心しきった赤ちゃんみたいな顔で寝てやがる。手を伸ばし、川内の頭を撫でた。
「ん……」
「……」
「……むふー……はり……たお……」
今日は静かな夜戦バカが、ほんの少しだけ、微笑んだ気がした。
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