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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第170話 シュラスブルグ城潜入
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態が発生するので、シュラスブルグの城壁の内側はすべて持ち上げる必要がある。
 そして、その地球産の小惑星と言うべき代物を俺の生来の能力……重力を操る能力で大遠投。

「結果、落ちて来る小惑星と、それを呼び寄せようとした悪人を同時に始末出来るので、これぞまさに一石二鳥と言うべき結果を得る事が出来る」

 何と言うか、オマエ正気か? ……と問われても仕方がない内容を妙に真面目腐った表情で語る俺。
 当然――

「いや、殿下。流石にその作戦は実行不可能な策のように私には思われるのですが……」

 確かに、非常にシンプルな作戦ですから、内容は一度聞けば理解出来るのですが。
 これの何処が中の策だ、このくそガキが。……とは流石に立場上言えないので、何と言うか奥歯に物の挟まったかのような微妙な口調でそう問い掛けて来るランスヴァル卿。
 もっとも、これは当たり前の反応。確かに俺の能力に関して大まかな説明を受けているとは思いますが、まさか人間レベルで、そんな常軌を逸した事が出来る存在が居るとは思わないでしょう。

 これも予定通りの反応か。そう考えながら視線を目の前の古強者から、少し離れた位置に停められた黒鋼の車体に移す俺。
 そして同時に生来の能力を発動。

「な、馬鹿な!」

 一瞬、何が起きたのか分からなかったランスヴァル卿。しかし、それも本当に一瞬の事。
 彼の目の前の何もない空間に踊る三両の黒鋼の車体。確かコレの総重量は一両当たり七十トンぐらいあったと思うから、三両合わせると余裕の二百トン越え。
 その二百トンを超える物体が、ジャグリングの玉の如き軽快さで宙を舞う姿は一種、異様な光景だと言わざるを得ない。

 そして、

「さて、この程度では信用されない可能性もありますか」

 そう言った後、空中で三両のティーガーUをくっつけ、それに対して周囲から徐々に圧力を掛けて行く俺。
 それは油にまみれた総重量二百トン越えの鉄の塊。それがどんどん、どんとんと小さくなって行き……。

「一応、俺の能力……念力でならば、このまま次元に穴を開けられるレベルまで圧力を掛けて行く事も可能ですが。どうです、あらゆる物質が超重力によって潰されて行く様を見たいですか?」

 既に元の形を欠片も残していない……どころか、宙に浮かぶ巨大な炎の塊となった戦車を指差しながら、そう問い掛ける俺。尚、念力とは地球世界の超能力。テレキネシスやサイコキネシスなどと呼ばれる能力の事ではなく、ハルケギニアのコモンマジックの中に存在する魔法の方の事。おそらく両者は作用する形は似ているが、それが発動するメカニズムと言うか、原理が大きく違う物だと思うのだが……。
 もっとも、俺としては予想よりも早い段階で炎の弾となった事に対して、少し舌打ちをしたい気
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