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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第170話 シュラスブルグ城潜入
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理矢理に振り払い、代わりにシュラスブルグ城の周辺の地形を思い出しながら、ランスヴァル卿にそう話し掛ける俺。
 周囲を大小さまざまな街に囲まれた城塞都市。父なるラインの流れに因り作り出された平野部はかなり広い。
 少なくともシュラスブルグ城の周辺には陣地を築けそうな山は存在せず、兵の身を隠す深い森も存在していない。
 ……と言うか、そもそも八十八ミリ対空砲のスペック上の有効射程が十キロを超えるらしいので、その数字が本当なら、幾ら周囲に多少の木々があるとは言え、今俺たちが居るこの辺りもマズイ事となる。

 もっとも、ここには目には見えない類の陣地が築かれているので、俺から見ると第二次大戦中の遺物に等しい兵器でどうこう出来るとも思えないのだが。

 それで……。
 そのシュラスブルグ城の城壁の高さは十五メートルほど。但し、ここハルケギニア世界は剣と魔法の世界であるが故に、以前の……戦争前のデータなど何の役にも立たない可能性もある。
 何故ならば俺の式神たちは一夜の内に、リュティスのシテ島に立太子の儀を執り行う為の新しいノートルダム大聖堂を建設した。更に言うと、召喚した後にジョゼフと契約を交わした魔将サブノックも、半完成と言う状態であったヴェルサルティル宮殿を一気に完成へと導いた。
 流石にソロモン七十二の魔将と、この世界の土の系統魔法使いを比べるのは間違って居るとも思うのだが、それでも城壁の強化ぐらいはそれほど難しい術式を組む必要はない……とも思うので、攻城戦に備えてある程度の強化はなされていて当然と考える方が無難であろう。
 水に関しても、街の中へとライン川の流れを引き込んでいるので問題はなし。当然、物資に関してもライン川を利用してゲルマニアから送り込まれて来ているはずなので、少しぐらい籠城が長引いたとしても問題はないでしょう。

 兵の数に関しては……正確な数に関しては不明。ハルケギニア的な騎士の総数で言えば本来ならば百にも満たない数だと思う。それでも街の規模。人口二万人足らずの規模の街と考えるのなら、これでも異常な多さだとは思うが。
 但し、現在のアルザス侯の立ち位置やその他の状況から考えると、ゲルマニアやアルビオン、ロマリアから援軍が来ていても何ら不思議でもない状況だと思う。
 そもそも、そのオルレアン大公遺児シャルロット姫が助け出された経緯と言うのが――

 トリステイン魔法学院で軟禁状態……異国からの留学生タバサとして在学していた少女こそ、オルレアン大公の遺児シャルロット姫であった。その彼女が呼び出した使い魔。黒髪、黒い瞳を持つ青年こそが現ゲルマニア皇太子ヴィルヘルム。そして、彼の将来の正妃に当たるゲルマニア辺境伯ツェルプストー家息女キュルケや、四つの系統魔法すべてを極めた魔法の天才アルザス侯シャルル等の手に因りトリス
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