ブレーン達は舞台袖で幕間の余興を見る
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あるメガリザードンXを下げる。
「……勇んで挑んだ割には随分慎重な立ち回りだな」
「貴様はさっきのジェムとダイバの戦いを見て何も学ばなかったのか? 勝負とは相手への警戒を怠らなかった方が勝つものだ。……来いカイリュー!」
甲高く、且つ重量感のある鳴き声を響かせてカイリューが宙に浮く。合わせるようにボーマンダが口を大きく開き、力を蓄える。
「ボーマンダ、シャンデラに『ハイドロポンプ』!」
高速で放たれた激流がシャンデラに直撃し、紫色に燃える炎を掻き消す。しかしサファイアの表情には一分の曇りもない。すぐさまサファイアの後ろに無傷のシャンデラが現れる。放たれた水は後ろのオーロットに直撃したが、深く根を張るオーロットの体は揺るがず、草タイプゆえにダメージも少なかった。
「残念だが既に『影分身』を発動させておいた。そんな単調な攻撃は当たらない」
「単調……? 先んじて分身を作って初手を凌いだだけの使い古した戦術で知った口を利くなよ。カイリュー、『電磁波』だ!」
カイリューが口を開け、弱い電気をまき散らす。だがそれは不可視にして不可避の空間一体を覆う一撃、ドラコ自身の身体にも電気が走り焼けるような感覚が走り、ダイバやアルカ、ジェムがびくりと体を震わせる。サファイアと彼のポケモンも同じように電流を浴びたはずだが彼は微動だにしない。ドラコは続けざまにボーマンダと自身のイヤリングに力を籠め、鮮血のような色に染め上げる。
「渇望の翼、今ここに真紅となる! 蒼天を統べる覇者の一喝に震えるがいい! 招来せよ、メガボーマンダ!!」
「メガシンカ……だがあれほどの電気をまき散らした以上君のボーマンダとて影響を受けるはず」
「それが知ったふうな口だと言うんだ! 私達だけの力を見るがいい……メガボーマンダ、『殲滅のロストトルネード』!!」
「ボアアアアアアアア!!」
麻痺の影響など一切なく、『スカイスキン』によって暴風のごとく荒れ狂う『破壊光線』がオーロットへと突き進む。麻痺したことにより動きを封殺されたオーロットに光線が直撃し、その体を地面から引きはがし吹き飛ばす。最初にジェムと戦った時に見せたドラコの竜達だけが使える必殺技を容赦なくたたき込んだ。
「なるほど。素晴らしい攻撃だ。ジャックさんも認めただけのことはある」
カイリューは『電磁波』を使うより前に『神秘の守り』で状態異常から自分たちを守っていた。よってドラコのポケモンだけは状態異常にかからずメガシンカによってアップしたスピードと威力のある光線を放ったことを看破し、静かに拍手をした。冷静に相手を讃えるその様はとても紳士的で、穏やかですらある。自分を何よりも敬愛する娘をエンターテイメントの主役に据えるためにわざわざフロンティア
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