消えた剣士
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『ライアが消えた。』
キリト君からつい先程聞いた言葉。
──彼が消えた?
そんな事、あるわけが無い。
私はその言葉を聞いた瞬間、ギルドホームを飛び出し街に出る。
彼がいつも借りている宿に行くが、もう既にもぬけの殻で誰もいなかったかのように変わっていた。
ウィンドウを開き、フレンドのボタンをタップ。
『Raia』の名前を探しながら下にどんどんスクロールしていく。
──お願い、あって…あって…!
だが、一番最後までスクロールしてもない。
『Die』という文字も、『in』の字も無い。
そもそも彼の名前自体が消えている。
──フレンド解除したのだろうか?
いや、自分がよりにもよって彼を登録から外すわけがない。
──どういうこと、何で何で何で!
「アスナ!」
「アスナさん!風邪引いちゃいますよ!!」
外は雨が降っていた。
それはポツポツ所ではなく、ザーっと音がするほどに。
「…………。」
「アスナ、しっかりし……」
私は名前を呼ぶ彼女達に反応せずに再び歩き出す。
「アスナさん!」
「私は…探さなきゃ…彼を……」
「でも、そのままじゃアスナが風邪ひくでしょ!?」
「この世界じゃ風邪なんて引かないわ!」
私はそう言ってからフィールドに向かって走った。
──何処にいるの…?消えないで…私を置いていかないで…!
だんだん私の足は動かなくなっていった。
はぁはぁ…と肩で息をする。
「あお…くん…」
そのまま私は力尽きたかのように倒れた。
「起きたか?」
「ん…キリトくん…」
私は気付くと、ギルドホームの自分のベッドに寝かされていた。
「落ち着いて聞いてほしい。」
キリト君は真面目な顔をして、でも悲しそうで悔しそうな表情を浮かべていた。
──まさか…そんな…違うよね…?
「ライは、あるプレイヤーの手によって崖に落とされた所を通りかかったプレイヤーが見たって……」
「……!?」
「それで…ライは這い上がろうとしたらしいけど相手がアイツを剣で刺して、そのまま崖下に……」
──嘘よ……こんなの……
「誰……」
「え…?」
「ライ君を落とした人って、誰。」
「……言えない」
私はキリト君の肩を掴んで言った。
「何で!キリト君…!」
「………ライからの願いだから。」
「え…?」
「崖で落ちていく所を俺は目の前で見たんだ…!アイツに麻痺され、動けなくなりそれでも負けないように愛剣を握って最後まで足掻いていたライを俺は……!」
「…………」
「落ちている間に俺
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