黒衣を狙いし紅の剣製 04
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合う?」
「ああ。……っと、そろそろ戻らないと休憩時間内に戻れなくなるな。はやて」
「あーごめん。私も今急な呼び出しが入ってもうたんよ。悪いけどクロエちゃんの相手は出来へんな」
「ふたりとも別に気にしないで。少しの時間だったけど、一緒に居られて楽しかったから。でも……また機会があったら遊んでね」
素直に受け入れるあたりしっかりしているというか……少し無理をしているようにも見えなくはないが。
デバイスに興味があると言っていたから研究所に連れて行くのも悪くはないのだが、今日の作業量的に構ってやれるかどうか分からない。俺以外に頼れる人がいない空間にひとりで居るというのはきついかもしれないし、今日はここで別れることにしよう。
「ああ、また今度な。暗くなる前にちゃんと帰るんだぞ」
「それと変な人とかに付いて行ったりしたらダメやからな」
「分かってる分かってる。いいからふたりとも行って。大人が遅刻なんかしたら大変でしょ」
★
ショウ達と別れた後、クロエはひとり街を歩いていた。その足取りは軽く、首に掛けられたハートのアクセサリーを時折見ては笑みを浮かべている。
「よーお嬢ちゃん。今ひとりかい? 暇だったらオレらと遊ばねぇ?」
「おいおい、どこから見ても小学生じゃねぇか。確かに可愛い顔はしてるけどよ、お前ってやっぱロリコンだろ」
「はは、違いねぇ!」
「うっせぇ! たまには良いだろうが」
髪を染めて鎖型のアクセサリーをジャラジャラと身に付けているいかにもゴロツキと思われる男達。この手の輩がどんなことを目的にしているかクロエは察することが出来ただけに……彼女の口元には笑みがこぼれた。
「いいわよ。お兄さん達は私をどこに連れて行ってくれるのかしら?」
チョロいぜ、言わんばかりに男達の顔に邪悪な笑みが浮かぶ。
クロエは男達に言われるがままに人気のない場所に移動する。移動した場所は建設途中で工事が中止しているとあるビルの工事現場。周囲に人の気配はなく、大きな声を出したとしても助けが来る可能性は極めて低いと言える。
「あら……もっと素敵な場所に連れて行ってくれると思ったんだけど」
「へへ、そう心配すんなって。ちゃんと素敵な場所に連れて行ってやるからさ。まあ……少し痛い思いをするかもしんねぇけど」
「うわぁ、小学生相手に堂々とそんなこと言うとかお前変態だな」
「そういうお前だってヤろうと思ってるくせに」
「それはてめぇだった一緒だろうが」
幼い獲物を前に男達は声を大にして笑う。
その姿に笑みを浮かべてついて来ていたクロエの表情も険しくなる。いや、正確には偽りの感情を消して本性を表に出したというべきか。
「おいおい、今更そんな怖い顔すんなよ。嬢ちゃんが付いて来るって言
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