黒衣を狙いし紅の剣製 04
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。
というか、クロに子供と言っておきながら彼女以上にはしゃぐあたりお前の方が子供に見えるぞはやて。年齢が年齢だけに余計にな。
「あのすみません、このハートのやつください」
「え、お兄ちゃん? 私、別にそういうつもりは……」
「お近づきの印みたいなものだから気にするな。俺がプレゼントしたいからしてるだけなんだから」
「ショウくん、私は?」
「お前は自分で買え。金は持ってるだろ」
「持っとるけど……この差はちょっとあんまりや」
どこかだよ。年齢的にお前とクロは大人と子供だし、収入の話なんかしたら比べるのも馬鹿らしいくらいお前の方があるだろ。クロの場合、収入なんてあっても小遣いくらいだろうし。
そうこう思っている間に店員がハートのアクセサリーを包装して手渡してきた。それを受け取る代わりに俺は代金を払い、受け取ったものをクロへと渡す。
「ほんといいの?」
「良いから渡してるんだ」
「……ありがとう、お兄ちゃん」
クロは子供らしい無邪気な笑顔を浮かべると、さっそくアクセサリーを取り出して眺め始める。
キラキラしているように見える瞳は、プレゼントをもらった時のヴィヴィオにそっくりだ。こういうところは子供全て似ているのかもしれない。
「ねぇお兄ちゃん……ひとつお願いがあるんだけど」
「何だ?」
「これ……お兄ちゃんに着けてほしいな。……ダメ?」
断る理由はないのでオーケーなのだが……子供の上目遣いというのはある意味反則ではないだろうか。大人がついつい子供を甘やかしてしまうのは、きっとこの手の可愛さに負けてしまうからに違いない。
まあ俺は甘やしても甘やかし過ぎるつもりはないのだが。
というか、俺の周りには我が侭な子供というのが少ないだけに甘やかしたくなることが多い。エリオやキャロは年齢の割にしっかりしていた、フェイトへの恩義から早く自立したいと思っていたりするし。
「ダメなわけないだろ」
「やった! お兄ちゃん大好き!」
「おっと……まったく、急に抱き着いてくるなよ。というか、離れて後ろ向いてくれないと着けられないんだが?」
そう言うとクロエは少し離れて俺にアクセサリーを渡すと、自分の髪を持ち上げながら後ろを向いた。幼いながら仕草に色気のようなものが出ているあたり、この子は将来的に異性の心をかき乱す存在になるかもしれない。
まあ……意図的にかき乱したりしなければ、それはクロのせいでもないんだが。
それにあと数年もすればヴィヴィオも含めて本当の意味で思春期を迎えるだろう。そうなれば俺への態度も変わるかもしれない。特にクロに関しては今後どう関わっていくは分からないのだ。今は親戚のお兄さんとして接しておくのがベストだろう。
「ほら、出来たぞ」
「ありがと。……どう、似
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