黒衣を狙いし紅の剣製 04
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ラして遊んでるの」
そう言われると……同じように研究者の保護者を持って育っただけに納得せざるを得ない。
俺は図書館などインドア派だったが、クロエは女の子だから服などを見て回ってもおかしくはない。むしろちゃんと女の子してると安心できる。俺の知り合いには今はともかく、出会った頃はオシャレに興味がない奴も居たし。
「お兄ちゃんの方は……何かお邪魔しちゃったみたいね」
「そのにやけ面は今すぐやめろ。別にそんなんじゃない」
「またまた〜、別に隠さなくていいのに。お兄ちゃんだって年頃なわけだし、デートのひとつやふたつ……まあ私としてはちょっと面白くなかったりもするけど」
「何で面白くないんだよ?」
「そんなの決まってるじゃない。私がお兄ちゃんのこと好きだからよ♪」
可愛らしい声と笑顔ではあるが……正直この手のからかいはこれまでに何度も受けてきた。この程度ではどうとも思わなくなっている。
それどころか可愛げがあるとさえ思ってしまっているのが現実だ。
俺の周りに居たのは近くに居るはやてを始め、手の付けようがほとんどない奴ばかりだったからだろう。まあ単純に一回りほど年下だからというのも理由だろうが。
「ショ、ショウくん……誰なんやこの子。しかもお兄ちゃんやとか好きやとか……ダ、ダメやで。いくら小さい子が好みや言うてもこの子は行き過ぎや。それにお金とか払ってるんなら職業的にも友人としても見過ごすわけにいかへん!」
「そんなんじゃない」
というか、真っ先に援助交際みたいなことが浮かぶあたり……お前そこまで俺のこと信用してないというか、俺が思ってるよりも好意持ってないだろ。
もしもそれが愛情の裏返しだったいうのなら、そんな人に迷惑を掛けるような愛情は捨ててしまえ。
「この子はクロエ、俺の親戚だ」
「な……何やて!? ショウくんに親戚っておったん? 初耳なんやけど」
あー……そういえば、ストーカーが居るかもしれないって話ははやてにもしたけど、クロエ達のことはまだ伝えてなかったな。
ティアナは色々と調べてくれてるみたいだから伝えておいたけど、はやては他の仕事があって手が回りそうにないって言ってたし。
「まあ俺もこの前会ったばかりだからな。義母さんもこの子の家とは長いこと連絡取ったりしてなかったらしいし。この子達と出会って後に尋ねてようやく思い出してたくらいだから」
「な、なるほど……まあレーネさんやからな。普通人としてどうかとも思うけど、仕方がないと言えば仕方がない」
家族でもない人間にそう断言されるあたり……はぁ、我が義母親ながらダメ人間だ。
六課に配属された頃から家を出て今も一人暮らししてるけど、ちゃんと生活できているのだろうか。最近では仕事先でも会うことはほとんどないし。
…
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