黒衣を狙いし紅の剣製 04
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キのパーカーが欲しいと言うのはどうなのだろうか。別に似合わないとは思わないが……
「ちょっとショウくん、聞いとるん?」
「隣に居るんだから聞いてる決まってるだろ。というか……欲しいのか?」
「え、買ってくれるん?」
期待の眼差しを向けるな。どんだけ欲望に素直なんだよ。
大体……お前の方が給料良いだろうが。階級で言えば俺らの中でお前が最も上になってるんだから。それにお前の騎士達は家に絶対金を入れてるだろうし、普通に考えれば十分すぎるほどの貯金はあるだろ。人にせびるな。
「あのな……俺はお前と違って休憩で外に出ているだけであって休みじゃないんだよ」
「ショウくん、その答えは答えになってへんやろ。買ってくれるんか後日買ってくれるんか、そのどっちかが答えや」
「何ではいとイエスみたいな選択肢かないんだよ。大体……本気でほしいと思ってるのか?」
「うーん……」
そこで考え始めるってことは本気では欲しくはないってことだろ。
お前のことだからすでに答えが出てるのに考えてる振りをしてるのかもしれないが、もしそうなら時間の無駄だから今すぐやめろ。
「欲しいと言えば欲しいけど、今日みたいにろくにデートする時間もない日にもらうよりはきちんとデートした日にもらいたい」
「別に今日はデートじゃないだろ」
「ちっ、ちっ、ちっ……甘い、甘いでショウくん。なのはちゃんの作るキャラメルミルクくらいに甘いで」
何でそこでその例えが出てくる。甘さの表現としては分かりやすくあるけど。
「ちょっと会える? って連絡して貴重な休憩時間を使って会いに来てくれたんや。それでこうして街を一緒に歩いてるんやから、私からすればどんなに短い時間でもデートに決まっとるやないか。まったく、いつまで経っても乙女心っていうのが分からんなぁ」
はいそうですか……それは悪うございました。
そもそもの話……これまで交際経験なんてないんだから分かるわけないだろ。特にお前の言う乙女心が1番分からねぇよ。
六課が解散してからは会う回数が減ったとはいえ、今日みたいに顔を合わせる日はある。
六課解散前にあのことを聞いたらもう少し待っておけと言っていた気がするが……未だに再アプローチはない。もうなかったことにされているのならそれはそれで構わないのだが……。
けど……俺の気のせいかもしれないが、前よりも積極的というかグイグイ来ている感じはあるんだよな。今度どこかに遊びに行こうって連絡は割と来るし。
そういう意味では学生の頃の感覚に近くなってるかもな。こっちの世界に移ってからはどこか距離が出来てた部分もあるし……そういう意味では再アプローチのために準備をしているのかもしれない。
とはいえ、深く考え過ぎたら俺がこいつの相手を出来なくなりそうだし
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