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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 外伝
黒衣を狙いし紅の剣製 04
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から。

「現在作っているデバイスは、私の作ってきたデバイスの中でも最高傑作。戦闘に特化させているため、あの小僧のものに負けているとは思えん。……が、この計画に失敗は許されない。成功の確率を上げるためには出来ることは何だって行わなければ……」

 それに……苦汁を舐めたとしても、あの小僧を叩きのめすことが出来ればそれらは快感へと変わる。苦労せずに叩きのめすよりも遥かに有意義なものとなるだろう。
 ククク……実に楽しみだよ。その日が来るのがね……

「パパ、入るわよ。今日の訓練終わったわ」
「……そうか」
「……毎日毎日ほんと飽きないわね。デバイスなんかなくたって私は魔法使えるのに」
「何……だと」

 デバイス……私のデバイスをなんかだと?
 私は小娘を半ば強引に振り向かせると、頬を思いっきり張り飛ばした。小娘は微かに悲鳴を漏らしたが、何をするんだと言いたげな眼差しをこちらに向けてくる。

「何だその目は……」
「……別に」
「口答えするな!」

 今度は平手打ちではなく、握り拳で同じ場所を強打。さすがに先ほどのように耐えることは出来なかったようで、小娘は地面に倒れ込んだ。

「いいか! 貴様はただあの小僧を倒すだけに生み出された存在。私のデバイスを使うための人形だ! 人の形をした紛い物風情が私に指図するんじゃない。分かったかこの贋作!」
「っ……」
「分かったらさっさと小僧やその関係者の監視に行け。ノロノロするなこの無能が!」

 力いっぱい蹴り飛ばすと、ようやく理解したのか人形はゆっくりと立ち上がって部屋から出ていく。
 まったく……強い魔導師を製造する上ではあのプロジェクトに価値はあるが、どうせ人間の紛い物を作るのならば人間性などなくせばいいものを。道具に感情なぞ必要ないのだ。持ち主を言うことを素直に聞いて実行出来ればそれで。

「……まあいい」

 この計画が成就すればあの人形も必要なくなる。仮にまた必要になったとしても、また別の人形を用意すればいいだけのことだ。今度は私なりの手直しも加えて完璧な人形を作り上げるとしよう。

「フフフ……フハハハハ……フハハハハハハハハ! もうすぐ、もうすぐだ。我が願いの成就は近い。夜月翔、憎きナイトルナの血を引く者よ。今しばらく幸せの時間を送りたまえ!」


 ★


「ショウくん、あの服ちょっと見て。タヌキさんパーカーやで!」

 分かった、分かったから人の背中を叩くのはやめろ。そんなことしなくても言えば普通に視線は向けるから。
 まったく……こいつってこういうところ変わらないよな。昔からタヌキは好きだったし、知り合いからは小狸と呼ばれたりすることもある奴だけど。
 でももう年齢で言えば成人している。人目もあるというのに堂々とタヌ
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