311部分:第二十六話 袁紹、劉備を迎えるのことその三
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第二十六話 袁紹、劉備を迎えるのことその三
「それですけれど」
「あるんですよね」
「え、ええと」
何故か今度は顔に汗を流す。
「何と言うのかしら。あれはですね」
「あるのなら返して欲しいんですけれど」
「袁紹様、あれは」
「昨日のことですよね」
顔良と文醜もここでひそひそと主に囁く。
「袁術様に」
「そうでしたよね」
「ま、まああれですわ」
袁紹は苦し紛れの顔で劉備に返した。
「返して欲しいのですわね、あの剣を」
「はい」
劉備の返答は明快であった。
「御願いします」
「そしてなのだが」
今度は公孫賛が言ってきた。
「いいか?」
「あら、貴女は」
袁紹は彼女を見ると少し怪訝な顔になった。そのうえで言う言葉は。
「どなたですの?見ない顔ですけれど」
「おい、待て」
公孫賛もすぐにムキになって言い返す。
「烏丸征伐の時に一緒だっただろうが」
「曹操殿の部下でしょうか」
「そうなのでしょうか」
田豊も沮授も知らない。
「一体誰なのか」
「しかし何処かで見たような」
「だとすれば何処で」
「思い出せませんが」
「何故だ!」
いい加減切れた公孫賛だった。
「田豊と沮授は袁紹配下での知の二枚看板ではないのか?」
「その通りでしてよ」
主の袁紹が答える。
「わたくしの擁する多くの人材の中でもこの二人は智恵の二枚看板でしてよ」
「そうでしたね。確か」
孔明もここで話す。
「その智謀は張良、陳平にも匹敵するという」
「いえ、流石に」
「それは」
二人自身はその言葉は謙遜して否定した・
「私達はとてもそこまでは」
「あの伝説の二人程には」
「それ以上でしてよ」
だが袁紹が二人を持ち上げて言い切った。
「この二人と貴女。どちらが上かわかりませんわよ」
「そうですね。私もそう思います」
孔明も真剣な顔で袁紹の今の言葉に返す。
「御二人は間違いなくこの国においてかなりの方々です」
「そう、それでなのですけれど」
袁紹はここでさらに話すのだった。
「劉備さんのその剣でしたわね」
「はい、それと白々ちゃんは幽州にお米か麦を欲しいとのことです」
「白蓮だ」
またしてもいつもの展開だった。
「全く。真名は覚えてくれ」
「お米に麦ですのね」
袁紹達の表情がここで少し変わった。
「そうですのね。それを」
「剣はともかくとしまして」
「お米や麦ですか」
田豊と沮授もここで少し難しい顔になって話す。
「そういえば幽州は旱魃が原因で凶作だとか」
「それも結構深刻な」
「やはり知っていたか」
公孫賛も二人の名軍師の言葉に難しい顔になった。
「そのことは」
「聞いてはいますわ。それでなのですわね」
ここでも劉備に話
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