食事の予定は……
夜
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ーが寒いでしょ?」
「あ、確かに……んじゃ上着だけ返してくれ。コートはお前が羽織ってろ」
「しっかりしてよせんせ……ガチガチ……」
「お前が言うな」
川内に、コートの下のジャケットだけ返してもらい、それを羽織った。川内は相変わらず俺のコートにくるまって、やたらと寒そうな感じだ。しかも足取りがフラフラとして、危なっかしい。普通に立っているのも辛そうで……
「う……ごめ……」
「……」
ただ立っているだけだというのに、時々フラッと姿勢を崩して、俺の方に倒れこんできやがる。その度に俺の胸元あたりにこいつの頭がぽすっと飛び込んできて、『こいつってこんなにちっちゃかったっけ?』という疑問が沸き起こる。
ふらふらな川内を支えながら、教室から外に出た。覚悟はしていたが、やはり外は寒い……ただでさえ冬場で気温も低いのに、ちょっと強めで冷たい風が吹いていて、それがまた冷たくて寒い……寒いっつーか痛い。しかし。
「せんせ?」
「ん?」
「コート返そうか?」
真っ青な唇のくせに俺の心配をするこの夜戦バカに、そんなことを悟られるわけにはいかん。
「心配いらん。病み上がりを甘く見るなっ。余裕だ」
「いいの?」
「お前は帰ることだけ考えてりゃいいの!」
「……」
川内が、再びグラッと姿勢を崩した。俺の方に倒れこんでくる川内をなんとか受け止める。思った以上に軽いことに驚いた。こいつ、いつも俺の200パーセントぐらいのエネルギーがみなぎっているけど、身体はこんなに小さいのか……。
「……せんせ。ごめん」
「それはいいけど……歩けるか?」
「むりー……せんせ、おんぶー」
「……」
んー……なんだかこいつのワガママがエスカレートしてきたような……。
「……今日だけだぞ」
「うん。ありがと……」
この調子でフラフラと千鳥足で歩かれて、途中でこけたりされても後味悪いしな……川内を背中に乗せ、コート越しに川内の足を支えた。今日俺が着てきたのが、ロングコードでよかったぁ〜……こいつのスカート、割と短いからな……。
俺の背中におぶさった途端、川内はしっかりと俺にしがみついてきた。俺の右の耳元に川内の顔がある。呼吸が浅くて苦しそうだ。
川内をおんぶし、なるべく揺らさないよう……それでいて遅くならないよう、気をつけて歩く。川内は俺の首に両腕を回し、肩をしっかりと掴んでいた。耳元で浅い息遣いをされるのは、正直色々とよろしくない気がしたが、そこはわきまえる。
「……せんせ」
「ん?」
「せんせーの、スマホ?」
「ん」
川内に言われて、左胸の内ポケットに入れておいた俺のスマホが、ブーブーと震えているのが分かった。
「よく分かったな」
「へへ……」
「お前を支
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